映画『他人は地獄だ』八村倫太郎、栁俊太郎、岡田結実、役づくりと3人の絆を語る。スペシャル鼎談インタビュー
栁俊太郎「奇妙であり、めちゃくちゃ気持ち悪い感じ」 自身の役柄について
―――八村さんは、役づくりにあたり、過去のホラー映画を観て、研究するようなこともされたのでしょうか? 八村「ホラー映画をもっと深掘ろうと思って、色々と観て、研究したのですが、児玉監督と話した際に、『ユウという役は、物語の流れに身を任せてくれればいい。1番遠くで、周囲に起こることを観ている感じで』と言われました。それを聞いてユウの立ち位置が見えてきましたね。物語上で起こったことに、無理に怖がっているように見せなくてもいいし、自分の感情をそのまま出せばよくて、余計なことはしなくていいんだなと」 ―――確かに、ナチュラルに恐怖を感じているように観えました。 八村「先ほども言いましたが、元々、怖がりなので、監督の助言がさらに役に立ったんだと思います(笑)」 ―――栁さん演じるキリシマの、サイコパスぶりも、お見事でした。 栁「僕は、他の作品でも強烈なキャラクターを演じることが多いのですが、その中でも本作のキリシマ役は色んな意味で大変でしたね。どのくらいのテンションで演じるか。模索しながら演じました」 ―――あの、得も知れぬ恐怖感には、背筋が凍りました。 栁「何となく奇妙であり、めちゃくちゃ気持ち悪い感じ。そんな絶妙な雰囲気を観る人の印象に残したいなと思いまして」 ―――個人的には、映画『野獣死すべし』(1980)における、松田優作さんを彷彿とさせるなと思いました。 栁「ああ、それは嬉しいです!」 ―――岡田さんが演じるヒロイン・メグミ役についても、お聞きしたいです。 岡田「メグミという女性は、すごく母性が強くて、ユウが求める存在でもあると思うんですね。怖いシーンでは、メグミが出てくることで、映画に安心感をもたらす。そんなキャラクターにしたいと思って演じました。ジェットコースターのような展開の中で他の人物たちが安らぎをもたらせるような雰囲気を出そうと、児玉監督と話し合いました」