バイデン大統領、次男を電撃赦免…トランプ氏は姻戚をまた起用して非難
米国のジョー・バイデン大統領(82)が不法銃器所持など合計12種類の容疑で裁判中の次男ハンター・バイデン氏(54)を赦免すると1日夜(現地時間)、電撃発表した。バイデン大統領とホワイトハウスは大統領選挙期間はもちろん、最近までも「赦免しない」と公言していたが、任期満了まで1カ月余りを残し国民との約束を破ってしまった。一部ではドナルド・トランプ次期大統領が強硬忠誠派の司法府首長を前面に出してバイデンファミリーに対する報復に出る可能性があるだけに、防御権を行使したのではないかとの見方もある。 バイデン大統領はこの日、声明を通じて「息子ハンターに対する赦免に署名した」と明らかにした。 あわせて「ハンターは私の息子という理由だけで起訴されたという以外に他の結論には至ることができない。これは誤りだ」と主張した。 また「(政敵は)私を攻撃し、選挙を妨害するために息子を追訴したが、これだけにとどまるだろうと信じる理由がない」とし「私は司法システムを信じているが、この問題と向き合いながら露骨な政治が司法の誤りを招いたと考えている」と付け加えた。声明の最後には「米国人たちが、父であり大統領である(私が)なぜこのような決定を下すに至ったのか、理解してくれるよう願う」と述べて父情を隠さなかった。 今回の赦免は、ハンター氏の不法銃器所持関連の容疑に対して12日に刑量の言い渡しが行われるのを控えて発表された。これに先立ち、ハンター氏は2018年10月薬物中毒の履歴を隠して拳銃を購入・所持した容疑で昨年起訴され、6月デラウェア州ウィルミントン連邦地裁陪審員団は有罪と判断していた。 米国歴史上現職大統領の子女が有罪評決を受けたのはハンター氏が初めてだ。これだけではない。ハンター氏は脱税容疑に関連した件でも裁判を受けているが、9月にすでにロサンゼルス裁判所で9種類の関連容疑に対してすべて有罪を認めた状態だ。 ワシントン・ポスト(WP)は「息子を守るために大統領権限を使わないというこれまでの公約を覆す、論争の余地が残る決定を下した」と指摘した。 トランプ氏はすぐに「司法権の乱用」として攻撃した。あわせて「ジョーがハンターに下した赦免に、現在数年間収監中の『J-6人質』も含まれるのだろうか」と反問した。J-6人質とは、2020年大統領選挙結果に従わず2021年1月6日議事堂乱入暴動に加担して収監されたトランプ支持者を称する言葉だ。トランプ氏は大統領選挙期間、彼らに対する赦免を公言していた。 トランプ氏はこの日、自身の2番目の娘ティファニー氏の舅であるレバノン系米国人マサド・ボウロス氏をアラブ・中東問題担当の上級顧問に任命すると発表した。 今回の人選はトランプ氏が長女イバンカ氏の舅であるチャールズ・クシュナー氏をフランス大使に任命すると発表した翌日に行われ、縁故主義による人選が大きく問題になっている。