ふるさと納税で町が激変?寄付額「関東1位」の小さな町
ふるさと納税除外の波紋は、町の人が頼りにしている「都農町国民健康保険病院」にも。 ふるさと納税の10億円で財団を設立。宮崎大学医学部と協力し、医師が常駐する体制を整えたが、財団の資金はあと5年でなくなるという。ふるさと納税に復帰できなければ、病院の経営も厳しくなるのだ。 9月に行われた選挙で新町長となった坂田広亮さんは、「来年の1月に改めて申請し、(ふるさと納税)制度にまた復帰したいと考えている。信頼を取り戻して、しっかりとした運営をする」と前を向く。 その重大な任務を託されたのが、役場に入って6年目、都農町 ふるさと納税係の河野匠さん(29)だ。河野さんは、今年の春まで2年間にわたり、宮崎県庁に出向していた期待の星。同僚の妻と町内に家を建てたばかりだが、そんな河野さんに、大きな責任がのしかかる。 11月。河野さんは、都農町財政課の伊達崇博さんと一緒に宮崎県庁へ。「謹慎期間」は来年1月までだが、最短で復帰できるよう、相談しにやって来たのだ。 会議は約1時間。県からの説明は、返礼品につての細かい情報にまで及んだが、都農町の復帰を後押ししてくれた。河野さんのもう一つ大きな仕事は、魅力ある返礼品を、再び揃えることだ。
ふるさと納税の業務を委託している「シフトプラス」原澤龍之介さん(24)とやって来たのは、牛肉の生産、販売を行っている「ビッグファーム」。宮崎県の場合、返礼品に牛肉は欠かせない。 500頭余りの黒毛和牛を育てている「ビッグファーム」はエサに特徴があり、出荷前の牛に一定期間、都農ワインとその搾りかすを混ぜて与えている。 こうすることで肉が格段にやわらかくなるというが、それをワイン牛としてブランド化。ふるさと納税が取り消しになるまで、都農町の人気の返礼品の一つだった。 「ビッグファーム」は問題を起こした業者ではないが、河野さんは返礼品を提供してもらう量について、決して無理をしないようにとお願いした。
その後、河野さんたちが足を運んだのは、町内にある人気ラーメン店。九州なのに、豚骨ベースではないこのラーメンに、“都農町の未来”がかかっていた――。 ※「ガイアの夜明け」より
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