ふるさと納税で町が激変?寄付額「関東1位」の小さな町
今回は、「活況!ふるさと納税 その先に…」。 「ふるさと納税」の寄付総額は9654億円で、過去最多を記録。そんな中、関東で第1位を誇る小さな町がある。財政危機に瀕していた町が、ふるさと納税で激変! 町長と“返礼品ヒットメーカー”がタッグで仕掛ける戦略を追った。 一方、ふるさと納税から除外された町も。返礼品3割ルールに違反したことが理由だが、町役場の若き職員が動き出した。新たな名物を作る…目を付けたのはラーメンだ。復帰に向けて奮闘する自治体に密着する。 【動画】返礼品は600種類!人気自治体が見据える「ふるさと納税」の先…
返礼品は約600種類!人気自治体が見据える「ふるさと納税」の先…
ふるさと納税とは、応援したい自治体に寄付をすると、そこから3割相当の返礼品がもらえるというシステム。さらに翌年の住民税や所得税から寄付分が引かれるため、寄付した人もされた自治体もお得だ。 茨城県・境町。人口2万4000人足らずの町だが、ふるさと納税の寄付額は、6年連続関東1位で59億5300万円(2022年度)。町では、ふるさと納税の寄付金で導入された自動運転バスが走っていて、観光施設や役場、病院を巡回している。 全天候型の公園や国際大会にも対応できる日本最大級のBMX競技場も、ふるさと納税の賜物だ。ここで大技を練習しているのは、白井玲恵奈さん(12)と兄の伶穏さん(14)。2人は全国大会でも優勝した注目の選手で、町は兄妹を応援している。
「この施設を毎日使いたい」と東京から移住してきた白井家の自宅は、移住者向けの賃貸住宅。3LDKの一戸建てで、家賃は月13万円。ガレージまでついている。 都内の会社に勤めるお父さんは、この家でリモートワーク。この賃貸住宅も、ふるさと納税の寄付金でつくられ、25年間住み続けたら家がもらえるという驚きの特典も。境町は、関東一の寄付金で、移住者まで増やしていた。
9月16日に開催された町最大のイベント「利根川大花火大会」に、今年は30万人が詰めかけた。その一角にあったのが、有料観覧席の入場ゲートだ。このテーブル席の一部は、ふるさと納税の返礼品になっていた。境町は、ふるさと納税の寄付を集めるだけでなく、多くの観光客を呼び込むことに成功していたのだ。 町長の橋本正裕さんは「10年前は3000発の花火だった。そこから5年で2万3000発まで大きくして、今年は3万発で全国一番」と話す。しかし就任当初、町は崖っぷちだった。