「3年程度で実用化」 2分で食材凍結、首掛け型AI端末も シャープが「テックデー」で公開
シャープが17~18日の2日間、東京国際フォーラム(東京都千代田区)で、同社の最先端技術を紹介する展示イベントを開催中だ。首に掛けるAI(人工知能)端末や、2分以内にマイナス30度まで冷やす急速冷凍技術のほか、電気自動車(EV)コンセプトモデル「LDK+」の実機も公開した。 【関連写真】フードロス削減効果に期待がかかる新技術も多数紹介 「近い将来の暮らしやビジネスを進化させるものを体験いただきたい」。シャープの沖津雅浩社長兼最高経営責任者(CEO)はこう強調する。 17日から開催している技術イベント「SHARP Tech-Day」では、AIやEVなどの各分野から50以上のテーマで最新技術を紹介している。その中でも注目を集めている1つが、生成AIとの自然なコミュニケーションを実現するウエアラブル端末「AIスマートリンク」だ。 AIスマートリンクは、京都芸術大学と共同で開発した首掛け型端末で、シャープが開発中のエッジAI技術「CE-LLM」を搭載する。音声による生成AIとの自然なコミュニケーションを目指した製品で、ユーザーの問いかけに対し内蔵したマイクとカメラで周囲環境を把握した上で、音声で応答してくれる。25年度の実用化を計画する。 フードロス削減につながる新技術にも会場での関心が集まった。複数の食品(冷凍、常温など)を半導体でエリア別に選択加熱する技術や、真空減圧による乾燥技術、マイナス30度のアルコール水を利用して薄切り肉であれば2分以内に凍結可能な急速冷凍技術を紹介している。 既に公表したEVコンセプトモデル「LDK+」も実機を展示。「LDK+」は、車内を「リビングルームの拡張空間」と捉え、EVが”止まっている”時に焦点を当てて開発。車内をもう1つの部屋として活用することで、新たな暮らしの価値を創出するEVとして注目された。 種谷元隆専務執行役員最高技術責任者(CTO)兼NEXTイノベーショングループ長は「ここ3年間くらいで実用化できるものに焦点を当てて展示している」とし、数年内の実用化に意欲を見せた。
電波新聞社 報道本部