クアルコムの新Snapdragonが「生成AIスマホ体験」を変える! 秋に3社が搭載スマホを投入
Snapdragon 8 Elite上で、高度なマルチモーダル生成AIアシスタントをサクサクと動かすデモンストレーションも披露されました。中国のソフトウェアベンダーであるZhipu AIが試作したアプリは、スマホのカメラで取り込んだビデオ画像をデバイスのAI処理のみでリアルタイムに素速く解析し、被写体の人物の特徴をテキストチャットに表示するような使い方を提案していました。このような使い方がAndroidスマホと連動するスマートグラスなどでも実現すると面白くなりそうです。 ほかにも、スマホのカメラでレシートの画像を読み込んで、割り勘やチップの計算をAIで素速く行うアプリケーションを実現したイメージなどが紹介されていました。
■拡大を続けるOryon CPU。スマートグラスにも生成AI イベントの基調講演のステージに登壇したクアルコムの最高経営責任者クリスティアーノ・アモン氏は、Oryon CPUを載せたSnapdragonシリーズのチップセットがこれからもAI PCに広く採用され、今後はSnapdragon 8 Eliteの誕生により「AIスマホ」にも拡大する未来に強い期待を寄せていました。
アモン氏によると、AIスマホのユーザーインターフェースが今後大きく変わる見通しがあるといいます。例えば画面をタッチしたり、音声エージェントに話しかけていたこれまでの操作体験は、デバイス上のAIがユーザーの様々なデータを解析しながら「次のアクション」をユーザーに対して先んじて自動で提案するようなスタイルが一般化することも考えられます。 クアルコムは、コンピューティングやモバイルのほかにも、さまざまなコンシューマデバイス向けのチップセットを開発する半導体メーカーです。Metaの「Meta Quest 3S」やNTTコノキューデバイスの「MiRZA」に代表される最新のMR/VRヘッドセット、ARスマートグラスなどのウェアラブルデバイスのためのチップセットも、同社は長年に渡り手がけてきました。 新たにクアルコムのXR&Spatial Computing部門の責任者を兼務することになったZiad Asghar氏は、Snapdragonのイベントに日本から参加したジャーナリストによるグループインタビューに出席。現行のSnapdragon XRシリーズ、Snapdragon ARシリーズを両輪とするアイウェア型のウェアラブルデバイス向けチップセットにもOryon CPUが搭載され、マルチモーダル生成AI対応が強化される可能性を示唆しました。