ルペン氏、与党連合と左派の選挙協力を激しく非難-有権者を子供扱い
(ブルームバーグ): 7日のフランス国民議会(下院、定数577)選挙の決選投票を前に、極右政党「国民連合(RN)」を実質的に率いるマリーヌ・ルペン氏は、同党阻止で他の勢力が結束したことを激しく非難した。
RNによる議会の絶対多数獲得を阻むため、マクロン大統領の中道グループ、左派連合の新人民戦線などは、決選投票に進んだ候補者が2人より多い選挙区から、223人の候補者を戦略的に取り下げた。このため、極右勢力は、他のライバル同士が手を組んだ214の選挙区で投票に臨むことになる。
ルペン氏は3日深夜、仏テレビTF1のインタビューで「有権者の言動を子供のように動かすことができると考えている政党を、非常に軽蔑する」と語った。「国にとって何が良いことか悪いことか、自分で理解できる責任ある大人として扱われないことに、フランス人はもううんざりしているだろう」。
トルナ・ハリス・インタラクティブが2、3日に実施した世論調査によると、RNとその同盟勢力が獲得する議席数は190から220議席の見通しで、過半数獲得に必要な289議席を大幅に下回る。
下院で絶対多数を獲得すれば、極右勢力が大統領と権力を分け合う、いわゆる「コアビタシオン(共存政権)」となる。マクロン氏が国防を含む外交を引き続き担う一方で、極右勢力も自分たちの政策を推し進められるようになる。極右勢力が過半数に達しない場合、どの政党も法案を単独で可決できる数を持たず、結果的に議会は膠着(こうちゃく)状態となる。
いずれの結果の場合も、フランスの財政立て直しの取り組みは阻害され、欧州のより広い範囲に悪影響が及ぶ恐れがあると、スコープ・レーティングスのトーマス・ジレ氏、ブライアン・マーリー氏は指摘している。
親ビジネス、親欧州、親ウクライナの立場を推進するマクロン氏とその同盟は、6月30日の第1回投票で3位に低迷した。ルペン氏は、マクロン氏が進めてきた年金改革の撤回、付加価値税の引き下げ、移民の削減といった政策を実行するため、政権を獲得しようと有権者の説得を試みている。