Hakubi主催『京都藝劇 2024』オフィシャルレポート 片桐「ここにいたことを、絶対に誇りにさせてみせるから」
■左近ステージ:Hakubi 開演から約6時間。『京都藝劇』というドラマをつないできた9組の思いを背負って、一人また一人と右近ステージへと現れたHakubiのメンバーを、ひときわ大きな拍手が出迎える。 「『京都藝劇 2024』、楽しんでくれましたか? 来てくれたみんな、本当に本当にありがとう。京都Hakubiです、どうぞよろしく」(片桐、以下同) じっくりと時間を掛けてHakubiが培ってきた信念に共鳴するように、KBSホールで聴く「光芒」は今や『京都藝劇』のテーマソングのごとく心に染みわたる。「ハジマリ」でも、皆がこの瞬間を待っていたのが場の空気から伝わってくる。満場の観衆がジャンプした「Eye」が、互いの目の前に広がる絶景にさらに彩りを添えていく。 ここで、「大嫌いな地元を出て、京都にやってきました。そうしたら独りぼっちは寂しくて、怖くて。でも、ここで出会えた人、出会えた音楽があって。だからこそ京都でやる意味があります」と当時の心情を描写した「Intro」を奏で、「音楽に支えられて、救われて、大切な人に、目の前のあなたに出会って……歌ってくれるかい?」と呼び掛けるや、会場から巻き起こった「夢の続き」の大合唱。それを片桐が歌い継ぎ、共に音楽にしていく。こんな感動的な情景が生まれるのがライブで、『京都藝劇』で。 「最高です、ありがとう!」と充実した表情で突入したのは「Decadance」。スリーピースバンドというフォーマットながら絶えず自身の音楽をアップデートしていくHakubiだからこそ到達した、新境地のダンスナンバーがKBSホールを揺らす! 「hananashiから始まって、どんどんみんながいいライブをしてくれて、気付いたら自分たちの番でした。でも、緊張じゃなくてめっちゃワクワクしてた。私たちにとって一年が経ったと気付かせてくれるのが『京都藝劇』で。今日は“久しぶり”、“また会えたね”って言えるバンドがいて、改めて“また”があることは素敵なことだな、当たり前じゃないんだなと思いました。だからこそ、“また”を必ずかなえていきたい。“また今度”と言って、もう会えなくなってしまった人へ、後悔の歌を」 そんな片桐のMCを受けた「拝啓」をはじめ、Hakubiの音楽は、時に悲しいのに美しく、静かなのに熱い。続く「Heart Beat」しかり、決して一方的ではない感情が行き来する。だからこそ――。 「全部を分かり合えることはできない。でも、どこかで少しでもつながって、支え合って、歩いていきましょう。また会おうね。幸せでした」 KBSホールの巨大なステンドグラスを背に、魂のアンセム「悲しいほどに毎日は」が鳴り響く。そこにいる全ての人が目いっぱい手を振ったこの時間が、また次の一年への力になる。 「ここにいたことを、絶対に誇りにさせてみせるから。ありがとう、最初から最後まで最高でした。そして『京都藝劇 2025』、やります絶対!」 最後の最後に頼もしい約束を交わした『京都藝劇 2024』、これにて終幕! なお、この日の模様は、ライブストリーミングプラットフォームTwitchのAmazonMusicJPチャンネルで、後日配信予定。 取材・文:奥“ボウイ”昌史 撮影:翼、 滋賀作そら <イベント情報> 京都藝劇 2024 8月10日(土) 京都・KBSホール 開場14:00 / 開演14:30 出演:神はサイコロを振らない / クレナズム / 35.7 / SHE'S / TETORA / Hakubi / hananashi / Brown Basket / Maki / yutori(50音順)