【京都記念回顧】プラダリアが格の違いをみせるGⅡ3勝目 息長く活躍するディープ×フレンチデピュティ系
ベラジオオペラは距離短縮なら
大ベテランのアフリカンゴールドの逃げはそう飛ばさない。後ろを離しながらも、平均的な流れを演出する。各馬外目に進路を選ぶ競馬になったことで、ペースはギリギリまで上がらず、後半800m12.0-12.3-11.6-11.8。いまの馬場を平均ペースで一周して、ラスト400m11秒台で乗り切れる馬は限られるだろう。そういった意味ではしっかり末脚を伸ばせたベラジオオペラはGⅡクラスの力を示したといえる。 4コーナーは大外へ回りたかったが、それができず、プラダリアとマテンロウレオの間に突っ込む形になった。プラダリアの内に入った分、最後は少ししんどかったかもしれないが、間を抜けていく力強さも感じ、着実にパワーアップしてきた。ロードカナロア産駒だけに、距離短縮は条件好転だろう。チャレンジCを勝ち切った阪神芝2000mはのぞむところ。当時の勝ち時計1:58.8はGⅠ通用レベルだ。 3着バビットはアフリカンゴールドを行かせ、番手に控えた。勝負所で各馬が外を選ぶなか、ただ1頭最内を攻めて、3着に残した。鞍上の好騎乗以外にない。荒れた馬場は苦にせず、逆境に強いステイゴールド系ナカヤマフェスタ産駒らしさをみせた。プラダリアと同じく、前半で急かさず入れる2200m以上がよさそうだ。馬場を味方につけられる状況であれば、狙ってみてもいい。 2番人気ルージュエヴァイユは8着。昨秋エリザベス女王杯2着時とは馬場が違いすぎたようだ。流れとしてはイーブンペースで力を出し切れなくはなかった。プラス10キロの馬体重も響き、思うように動けなかった。1800m前後なら鋭い脚を使いそうだ。スローなら東京マイルでもいいだろう。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳