【競輪】神山雄一郎が涙の引退 通算909勝 史上最多G1を16度優勝もGPだけは手が届かず
長く競輪界をけん引してきた神山雄一郎(56=栃木、61期)が24日、都内で会見を開き、現役を引退することを発表した。 現役最多の通算909勝。G1グランドスラム(全冠制覇)、生涯獲得賞金歴代トップの29億円。明るい笑顔でバンクを照らした競輪界のレジェンド。来年1月からはS級昇級後、初めてのA級陥落が決まっており、このタイミングで自ら身を引いた。 神山は「今年の夏頃から(選手生活を)どうするかなと考えていたが、つい最近になって引退を決めた」と語った。今後については「しばらくゆっくりしてから」と明言はしなかった。会見の途中では涙を流すシーンもあった。 栃木県生まれで生家は自転車店。プロになってからも「自転車好き」を公言し続けた、自他共に認める“自転車マニア”。作新学院高ではインターハイ優勝。高校時代からその名は全国にとどろき、日本競輪学校(現日本競輪選手養成所)でも連戦連勝で卒業記念チャンピオン。1988年5月に花月園でデビュー。いきなり3戦3勝の完全Vを果たした。 搭載するエンジンの違いであっという間に輪界のトップへ。現役36年7カ月で通算取得賞金は29億3830万1609円。史上3人目のグランドスラムを達成するなどG1を16度優勝した。ただ、念願だったKEIRINグランプリの優勝だけは手が届かなかった。 23日の取手最終日7Rがラストラン。見事に差し切り、観衆の拍手に笑顔で応えていた。 ◇神山 雄一郎(かみやま・ゆういちろう)1968年(昭43)4月7日生まれ、栃木県小山市出身の56歳。61期。88年5月、花月園(すでに廃止)でデビュー。93年オールスターなどG1は史上最多の16勝。通算取得賞金は29億3830万1609円。1メートル80、87キロ。血液型B。