内省(リフレクション)とは?自身の成長とビジネスに生かせる「振り返り」の技術
内省を実践するためのフレームワーク
このように内省には大きなメリットがありますが、ただ漫然と過去を振り返っても効果的ではありません。 ◆振り返りの質を高めるには「メタ認知力」が重要 私たちが経験から学ぶためには、振り返りの質を高めることがポイントです。しかし、ここで難しいのは、過去を客観視する行為も、結局は自分の思考に依存するということです。「人は見たいものを見たいように見る」と言われますが、その状態で内省をしても大きな収穫は得られないでしょう。 内省の思考を深めるには、「メタ認知」する力が重要です。メタ認知とは、「認知していることを認知する」こと。自分が何かを知る、理解する、学ぶという認知のプロセスを、もう一人の自分として客観的に眺めることが、内省のベースとなります。 ◆「認知の4点セット」を使いこなそう そこでご紹介したいのが、認知の枠組みを整理するフレームワーク「認知の4点セット」です。 ●「認知の4点セット」のフレームワーク 意見 | あなたの意見は何ですか? 経験 | その意見の背景には、どのような経験や、経験を通して知っていることがありますか? 感情 | その経験には、どのような感情が紐づいていますか? 価値観 | 意見、経験、感情を俯瞰して、あなたが大切にしていることが何かを明らかにしましょう。 このフレームワークでは、過去の事実や経験に関する自分の判断や意見を「意見」「経験」「感情」「価値観」に分けて整理し、認知の枠を可視化します。 意見の背景には必ず経験があり、経験に紐づく感情があり、大切にしている「ものの見方」があります。私たちは、過去の経験によって形成された「ものの見方」でものごとを捉えます。ですから、下の「犬が好き・嫌い」の例にあるように、たとえ同じ情報に触れても同じ意見にはなりません。 ●「認知の4点セット」の事例 Aさんの認知の枠 | 同じ犬を見ても… | Bさんの認知の枠 犬が好き | 意見| 犬が嫌い 昔から犬を飼っている | 経験 | 犬に噛まれて怪我をしたことがある 喜び・安心 | 感情 | 怖い 犬は心を癒やしてくれる存在 | 価値観 | 犬は近付くと危険な存在 これらの4つを切り分けて考える習慣が身につくと、自己理解が増し、自分を変える力が高まります。自分が何に縛られているかに気づけるようになり、経験から有意義な学びが得られやすくなります。幅広い場面で活用できるので、ぜひ練習していきましょう。