AIスタートアップのセンティエント・ラボが8500万ドル調達
(ブルームバーグ): ブロックチェーン「ポリゴン」の幹部らが設立した人工知能(AI)スタートアップ、センティエント・ラボは、米著名起業家ピーター・ティール氏が共同創業者のファウンダーズ・ファンドを含む投資家から8500万ドル(約137億円)を調達した。
センティエント・ラボの声明によると、暗号資産ヘッジファンド運営会社のパンテラ・キャピタルとフレームワーク・ベンチャーズは、ファウンダーズ・ファンドとともにシード資金調達ラウンドで中心的な役割を担った。バリュエーションは明らかにしていない。
シンガポールを拠点とするセンティエント・ラボは、チャットボットや企業向けソフトウエアなど、新興のAIツールへの貢献に対して開発者が報酬を得られるオープンプラットフォームを構築している。今回の資金調達は、7-9月(第3四半期)に予定されている同社のプラットフォームのテスト用ネットワーク立ち上げに先立ち行われた。
米オープンAIが対話型AI「ChatGPT」を発表して以降、こうした初期段階のAI企業への投資が急増している。最近では、フランスのAIスタートアップHが、5月のシードラウンドで2億2000万ドルを調達した。
AIツールの普及は、オープンAIの主要な支援者であるマイクロソフトや、アルファベット傘下のグーグル、メタ・プラットフォームズといった巨大テック企業が、未来を形作るであろうテクノロジーに対して影響力を行使し過ぎていないかどうかという議論にも火をつけた。暗号資産擁護者の中には、ブロックチェーンの分散型機能とAIを組み合わせることで、権力の集中を緩和することができると主張する者もいる。ただし、その詳細は今も曖昧だ。
センティエント・ラボの共同設立者サンディープ・ネイルワル氏は、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、「中央集権的な勢力がAIを独占することへの不安は大きい」と語った。また、センティエントはそうした「中央集権的な巨大企業」に対抗することを目指しており、暗号資産は「AIの展開方法に大きな変革をもたらすことができる」と述べた。