わが子がSNSで「見知らぬ大人」と交流するのをやめさせたい…「スマホを取り上げる」は逆効果!? 弁護士が教える「より有効な対処法」
インターネットの普及により、誰でも簡単に他人とと交流できるようになりました。便利な一方、子どもがトラブルに巻き込まれる危険性も無視できません。そうした被害から子どもたちを守るために、保護者はどうすればよいのでしょうか。自身も1児の母であり、出産・子育てに関わる法律問題に詳しい弁護士・高橋麻理氏の著書『子育て六法』(日東書院本社)より、一部抜粋してご紹介します。 都道府県「子どもの教育費」ランキング… 2023.02.14
子どもがSNS上で「見知らぬ大人」とやりとりしていたら
よくある相談内容の一つに、子どもがSNS上で、見知らぬ大人と交流しているというケースがあります。保護者としては何らかのトラブルに繋がるのではないかとの心配が先に立ち、今すぐその相手との関係を断ち切るように迫ったり、スマホを取り上げたりしたくなるかもしれません。そのような緊急の対応が必要な場面もありますが、かえって親への反発心から、親にばれないようにしようとしたり、心を閉ざしてしまったりする可能性もあります。 まず、子どもに、そのやりとりにどんな魅力があるのか聞いてみるとよいかもしれません。友人関係に悩んでいて、知らない人とのやりとりが気楽なのかもしれないし、単に暇つぶしかもしれない。身近な人には話せない悩みを相談して救われているのかもしれません。子どもの思いを否定せずにじっくり聴きたいところです。 その上で、過去にSNSをめぐって未成年の誘拐、児童ポルノ被害、ストーカー被害などの事例があったことを説明しながら、親としての不安を伝えてみましょう。 たとえば、相手は「20代女性」と名乗っているが、その素性を信じることができるのか? 素性を隠して子どもの悩みにつけこみ、交流を重ね、信頼を得て、その信頼に乗じて犯罪行為に及ぶ者も存在します。そういった「どのような意図があるのかまったくわからない相手」と親密なやりとりをしているという事実を伝えるのです。総務省HPで、子どもにもわかりやすい「インターネットトラブル事例集」が公開されているので、一緒に見てみるのもいいかもしれません。その上で、今後について話し合うのがよいでしょう。 すぐに関係を断たせる以外にも、親にやりとりの内容を見せることや、万一「会おう」などと誘われたらただちに連絡を断つことを約束させるなど、ルールを決めてしばらく継続することも含め、いろいろな選択肢の中から、一緒に考える必要があると思います。 また、「身近な人たちには相談できないときのための信頼できる相談先」を一緒に調べて確保しておくことも大事なことだと思います。厚生労働省のホームページでは、電話やSNSで相談できるホットライン「まもろうよ こころ」なども紹介されています。