竜王戦七番勝負で見事防衛を果たした藤井聡太の12月の対局を振り返る!
挑戦者の様々な作戦に苦しめられた竜王戦七番勝負だったが、第6局で後手番をブレークして4勝2敗で防衛。来期は早くも永世竜王資格の掛かった防衛戦となる。 ※対局予定棋士の名前の後の()内は藤井から見た過去の対戦成績。 【写真を見る】叡王戦、本戦トーナメントを控える藤井聡太 12月11、12日に第37期竜王戦七番勝負第6局で佐々木勇気八段と対戦。相掛かりから激しい変化となるが、先手の佐々木の準備にハマる形となり、初日からリードを奪われる。しかし、直後に佐々木にもミスが出て形勢逆転。佐々木の攻めを的確に余し、最後はきっちりと攻防手で仕上げて投了に追い込んだ。これで七番勝負は4勝2敗で防衛。通算26期目のタイトル獲得となった。 ALSOK杯第74期王将戦七番勝負の挑戦者は永瀬拓矢九段(18勝7敗)に決定。第1局は1月12、13日(日、月)に行われる。二日制で顔を合わせるのは初。 第50期棋王戦コナミグループ杯の挑戦者は増田康宏八段(5勝1敗)に決定。第1局は2月2日(日)に行われる。増田は初のタイトル戦登場。 第10期叡王戦は本戦トーナメント1回戦で増田康宏八段(5勝1敗)と対戦する。対局は1月8日(水)の予定。 第18回朝日杯将棋オープン戦は本戦トーナメント1回戦で阿久津主税八段(4勝0敗)と対戦する。対局は1月19日(日)の予定。 12月3日に第32期銀河戦決勝トーナメント2回戦の広瀬章人九段戦が放映。角換わりから後手の藤井は右玉へ構える。広瀬の穴熊からの猛攻に受け続ける展開となるが、際どくしのいで最後は反撃を決めて制勝。 12月17日に準決勝の佐々木勇気八段戦が放映。角換わりから先手の佐々木は仕掛けを断念して千日手に。先後を入れ替えて再度角換わりになり、研究勝負から藤井が抜け出し、正確に押し切った。 12月24日に決勝戦の丸山忠久銀河戦が放映。こちらも角換わりの研究勝負から、形勢の揺れ動く熱戦となる。藤井が丁寧な受けでリードを奪うが、丸山の勝負手の前に対応を誤って形勢は混沌。その後も丸山の勢いある指し手に押し切られ、2年連続の準優勝となった。 12月8日に第74回NHK杯将棋トーナメント本戦の澤田真吾七段戦が放映。澤田の四間飛車に藤井は居飛車穴熊。中盤の折衝でリードを奪うと、最後は相手の端攻めを見切って押し切った。準々決勝では佐藤康光九段─渡辺明九段戦の勝者と対戦する。 12月15日のSUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2024で藤井は第5局に登場し、伊藤匠叡王と対戦。角換わりから伊藤の急戦に強く応じ、激しい戦いとなる。形勢は微妙に揺れ動いたが、最後は伊藤が即詰みに打ち取った。藤井は敗れたが、団体戦としては西軍が5勝1敗で勝利した。 文=渡部壮大
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