【仮面ライダーヒロイン名鑑】『仮面ライダージオウ』紺野彩夏「最後の最後にアクションシーンを詰め込まれて不安でした(笑)」
――釈さんのマンホールを投げる姿も話題になりましたよね。いまだにネットで語り継がれているほどです。ほかに、印象に残っているエピソードはありますか? 紺野 物語の終盤、オーラに擬態した機械生命体がアナザードライブ(怪人)に変身する回ですね(第45話)。それまでほぼなかったアクションシーンが急に増えたばかりか、アナザードライブ役としてアフレコにも初挑戦することに。アクションもアフレコも難しそうだけどオーラは少なくてラッキーだなと思っていたら、最後の最後に詰め込まれました(笑)。みんな上達してきたところに、いきなり素人が参加するようなものだったので、不安でした。 ――ホンモノのオーラが機械生命体のオーラに持ち上げられ、首を絞められるシーンがありましたね。 紺野 首を絞める役と絞められる役の両方を演じました。首を絞められるほうの演技には苦戦しましたね。宙にぶら下げられた状態で足をバタバタさせるんですが、足の動きだけでもがき苦しんでいる様子を表現するのは単純なようで意外と難しい。相手を見下すように腕を組んでばかりのオーラだったのに、最後は爆破のなかで転がされて。散々でした(笑)。せっかく特注で作っていただいた衣装が爆風でボロボロになってしまったのは、ちょっと寂しかったなぁ。 ――作中では一度も笑わなかったオーラですが、紺野さん自身は楽しく演じられていたのが伝わってきました。改めて、『ジオウ』の現場で学んだことを教えてもらえますか? 紺野 台本の読み方や現場での態度など、お芝居の基本はすべて『ジオウ』で学ばせてもらったと言っても過言じゃありません。別の現場に行ったときに、1年間で身についたことが自然と出たときは、スタッフさんに褒めていただいたことも。外に出しても恥ずかしくないよう親心で厳しくしてくださったんだと、撮影を終えてからより実感しますね。 ――また『ジオウ』といえば、平成最後の仮面ライダー。歴代平成ライダーが軒並み登場するなど、スペシャル感の強い作品でした。出演を経て、紺野さんが感じる仮面ライダーシリーズの魅力は何でしょう? 紺野 子供向けの作品でありながら、大人も一緒に楽しめるところ。それから、ファンの皆さんの愛が強いところ、ですかね。放送から5年が経った今でも「『ジオウ』見てました」と声をかけてくださるファンの方が多くいらっしゃるんです。久々にスピンオフをやるとなれば、みんな欠かさずチェックしてくれます。そんな作品、なかなかないですよね。 ――次はヒロインをやってみたい! みたいな願望は? 紺野 ヒロインよりも、スピンオフでオーラにスポットを当ててほしいですね。どうしてタイムジャッカーになったのか、何が影響してプライドの高い性格になったのか。バックボーンが描かれないままだったので、ちょっと気になるかも。でも、さすがにもうあの採寸の衣装は着られないかもなぁ。それに、ホントに話が来てばりばりアクションシーンが用意されていたらどうしよう......。お手柔らかにお願いします(笑)。 ●紺野彩夏 Ayaka KONNO1999年6月24日生まれ 千葉県出身○3歳の頃に子役としてデビュー。女優と並行して2016年からは『Seventeen』、2021年からは『non-no』の専属モデルとしても活動 取材・文/とり 撮影/荻原大志 ©石森プロ・東映