中国の小学校前で児童らに車突入、多数負傷の報道 湖南省
[北京 19日 ロイター] - 中国中部の湖南省にある小学校前で19日朝、車が児童や歩行者に突っ込み、多数が負傷したと国営メディアが報じた。警察は、39歳の男を逮捕したと明らかにしたが、事件を調査中としており、詳しいことは分かっていない。中国では、子どもが犠牲になる無差別な襲撃が相次いでおり、不安が広がっている。 中国中央テレビ(CCTV)など国営メディアによると、スポーツ多目的車(SUV)が同省常徳市の小学校前で登校中の児童らに突入し、多数が負傷者した。警察は負傷者は速やかに病院に搬送され、重体者はいないとした。負傷者数は明らかにしていない。 交流サイト(SNS)に投稿された動画では、突入後に道路に停止した白い車のほか、走って学校に駆け込み「助けて」と叫ぶ児童が見られた。別の動画には、白い車の前で男性らが男を殴打したり、倒れた男に警官が手錠をかける様子が映っている。 中国では11日に広東省珠海市で暴走した車が多数の人をはねる事件が発生し、35人が死亡、43人が負傷した。さらに、東部の江蘇省無錫市でも職業専門学校で16日、21歳の元学生がナイフで8人を殺害、17人にけがを負わせる事件が発生した。中国全土では今年、少なくとも7件のナイフ襲撃事件が発生している。 珠海での車暴走を受け、習近平国家主席は、暴力行為のリスクのある人物を特定して「リスク管理を強化する」よう地元警察に指示した。今週、北京では主要な交差点の警備が強化され、重要な場所に警察官が配置された。 こうした事件は詳細が明らかにされていないため、SNSでは中国における経済的・社会的圧力の高まりや、精神的問題への対応について議論が起きているが、その多くは検閲の対象になっている。 最高検察機関の最高人民検察院は、19日に「重大で凶悪な犯罪」や公共の安全を脅かす犯罪に対する量刑について協議したと明らかにした。「断固たる決意で、法律に従って犯罪を厳しく迅速に処罰し、強力な抑止力を発揮しなければならない」と微博(ウェイボー)の公式アカウントで述べた。