メルセデス・ベンツ EV用電池のリサイクルに注力、しかし原材料の採掘は止められない
フル稼働にはあと数年 他社製品にも対応か
年産2500トンを達成するまでには「3~4年」かかるだろうとブルツァー氏は言う。これは、メルセデス・ベンツのEVが比較的新しいため、使用済みリチウムイオンバッテリーの在庫に限りがあるためだ。同社初の量産EVであるEQCは2018年に発売された。 ブルツァー氏は次のように述べている。 「リサイクルを始めるには、一定量のバッテリーが市場に出回らなければならない。そのため、まずバッテリーを生産する必要があり、これは鉱山から産出される原材料を使用することになる。リサイクルできるものがないからだ。当社のバッテリーの品質基準は8年から10年なので、多少の遅れが生じるだろう。今後3、4、5年は(低い生産量で)稼働するが、それと並行して非常に重要なのはプロセスを理解することであり、さらに重要なのは、スケーラビリティを理解することである」 その間、クッペンハイム工場はメルセデス・ベンツの研究開発活動や試作車から出たバッテリーをリサイクルする。ブルツァー氏によると、他社製バッテリーの受け入れにも前向きで、異なる化学組成のバッテリーについても検討する用意があるという。 「LFP(リン酸鉄リチウム)とNMC(ニッケル・マンガン・コバルト)を一緒に扱うことも可能だ。問題は、それらをまとめてやるかどうかだ。効率を考えなければならない」
チャーリー・マーティン(執筆) 林汰久也(翻訳)