【マイルCS】ナミュールは馬なりで気持ちよく脚を伸ばす 高野調教師「去年と遜色ない状態」
秋晴れの栗東坂路で、昨年の覇者ナミュールが馬体を弾ませた。見守った高野調教師は、納得の表情を浮かべた。 「1週前追い切り後の経過を見て、負荷を決めようと思っていました。想定通りに良くなっていましたので攻め込まず、全体時計は遅く、残り1ハロンだけ全身を使いました。仕上がりには満足していますし、力は出せるはずです」 脚慣らしで1本目を駆け上がると、2本目は馬なりのまま加速ラップを刻んで登坂。ラスト1ハロンは気持ち良く脚を伸ばし、4ハロン56秒6-12秒0をマークした。全体時計は控えめだが、スピード感は十分。連覇に向けて気配は上々だ。 昨年は富士S(1着)を挟んでの参戦だったが、今年はぶっつけ。その理由を「去年はGⅠを取れていない立場だったので、ステップレースを挟む過程が必要だった。今年はGⅠを勝利できている立ち位置で、コンディションさえ整えれば結果は出ると踏んでいる。そのためステップレースを踏むよりも、フレッシュでエネルギーに満ちた状態での走りの方が、よりいいパフォーマンスが出せるという判断です」と説明。前走後は滋賀・ノーザンファームしがらきで英気を養ってから順調に乗り込まれており「去年と遜色ない状態で送り出せると思う」と力を込めた。 5歳秋を迎えて心身ともにさらに充実。「筋肉量が増えました。海外遠征経験したことで2歳、3歳の頃に比べると堂々とするようになって、立ち振る舞いが女王さまだなという感じです」と証言する。 昨年は今年4月の落馬事故で亡くなった藤岡康太騎手が騎乗して、最後方から豪快に追い込んでGⅠ初制覇を決めた。師は「藤岡康太君も応援してくれると思いますし、ディフェンディングチャンピオンとして負けられない」と闘志を燃やす。 今年は、先週のエリザベス女王杯を同厩舎のスタニングローズで制したC・デムーロ騎手とタッグ再結成。頼もしすぎる助っ人も味方に、史上7頭目となるマイルCS連覇を決める。