iPhone、ガイドライン変更で「ゲームエミュレータ」アプリがさっそく登場
最近行われた、アップルのApp Storeの変更により、iPhoneにこれまで見られなかった新種のアプリが登場した。それはゲームエミュレータだ。 米国時間4月5日にアップルはApp Storeのガイドラインを変更した。これらの変更の一部はEUのユーザーにのみ関係しているが、ゲームエミュレータアプリを許可する更新は世界中に適用される。 ガイドライン変更のわずか数日後には、App Storeにエミュレータアプリが登場し始めた。iGBAもその1つで、ユーザーがiPhoneやiPadでゲームボーイアドバンスやゲームボーイカラーのゲームをプレイできるようにする(なお日本時間4月15日現在、iGBAは日本のAppStoreでは入手できない)。これは迅速な対応だ。続々と他のエミュレータアプリが登場することは間違いない。これはiPhoneにとって非常に大きな変化である。 2週間前なら、このアプリはApp Storeに受け入れられなかったはずだ。 このエミュレータは任天堂のデバイスをシミュレートすることを目的としており、ゲームボーイアドバンスやゲームボーイカラーのゲームのROMファイルを持っていれば、iGBAで開いてプレイを開始できる。 はっきりさせておきたいのは、法的な問題を避けるためには、対象のゲームのコピーを所有しているべきではない。つまり、たとえインターネット上のあちこちで見つかるとしても、ROMファイルをダウンロードしてはならない。地域によって法律が異なるので、法を犯す危険を冒す前に確認すること。TechRadarが指摘するように、「警告:世界のほとんどの地域でこれらのエミュレータを合法的に使用する唯一の方法は、購入済のオリジナルのディスクやカートリッジからコードを取り出すことである──そうでなければ、違法行為に手を染めることになる」かもしれないのだ。
近い将来にエミュレータアプリの大量登場を目にするかもしれない
実際、アプリはうまく機能する。私は数十年所有している『スーパーマリオワールド』をiPhoneとiPadでプレイした。プレイ画面はiPhoneを立てて持っているとその上半分に表示され、横向きにすればより大きく表示できる(ただし、重ねられたジョイパッドとボタンの表示が少し邪魔になるが)、iPadでのプレイはより簡単だが、レトロなグラフィックスの限界があらわになる。 ルール変更から数日後にiGBAが登場したため、近い将来にエミュレータアプリの大量登場を目にするかもしれない。しかし、状況はより複雑で、問題がある。 The Vergeによると、「iGBAは開発者マッティア・ラ・スピーナ自身の作品ではない」ようだ。同メディアへのメールでは、「開発者ライリー・テストゥットは、このソフトは10年以上前にiOS用に作成したオープンソースエミュレータ、GBA4iOSの非公認クローンであると述べた【略】 彼は自分のアプリがGNU GPLv2ライセンスを使用しているという。あるマストドンのユーザーは、iGBAがライセンスを参照していないことを発見し、これがその条件に違反する可能性があると指摘した。にもかかわらず、テストゥットが不満を抱いているのはアップルであって、ラ・スピーナではない」という。 テストゥットは、近々彼自身のアプリDeltaを立ち上げる予定だという。The Vergeは続ける、「コメントを求められたラ・スピーナは、テストゥットのコードを使用したことを明確には認めなかったが、The Vergeに対して『アプリがこれほどの反響を呼ぶとは思わなかった、本当に申し訳ない』と述べ、テストゥットにメールで連絡を取ったと付け加えた」という。iGBAが位置データや識別子などのデータを収集することに注意する価値がある。DeltaがApp Storeに登場するのを待つのが良いかもしれない。
David Phelan