元妻「どちらかといえば無ですかね」紀州のドン・ファンが死亡した際の感情問われ
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん=当時(77)=に致死量の覚醒剤を飲ませて殺害したとして殺人罪などに問われた元妻、須藤早貴被告(28)の裁判員裁判の第21回公判が15日、和歌山地裁(福島恵子裁判長)で開かれた。被告人質問で検察側から野崎さんが死亡した際の感情を問われた被告は「どちらかといえば『無』」と述べた。 【写真】「ボクの最後の女性になってくれませんか」とプロポーズ…野崎さんの著書 野崎さんは平成30年5月24日夜に自宅2階で死亡。同日午後10時35分ごろ、被告が119番していた。 検察側から、野崎さんの死亡を知った直後の感情を問われた被告は「悲しかったということですか」と質問の意図を確認した上で、「死体を見たのが初めてだったから、びっくりした」と振り返った。 再度、検察側から「喜怒哀楽でいえば」と問われると「いや、どちらかといえば『無』ですかね」と語った。 被告は野崎さんの死亡後、友人にLINE(ライン)で「財産もらうつもりだったよ。欲のせいで足元をすくわれたけど」とのメッセージを送っていたことが明らかになっている。このメッセージの趣旨については「お金目当てで安易に結婚して、そこをつっつかれてマスコミにいじめられている状況をいっている」と説明した。 被告人質問はこの日が3日目。これまでの審理で、被告は野崎さんの死亡前、野崎さんから覚醒剤の購入を依頼されたことがあると説明。同年5月上旬に愛犬が死んで以降、「何度も泣きながら『死にたい』と言っていた」とも述べた。 検察側が間接証拠の一つとしてあげる「完全犯罪」などの検索履歴も趣味の一環と釈明し、野崎さんが自殺したり覚醒剤を誤飲したりした可能性にも言及。自身の関与は「一切ない」と否定していた。