受験に勝ちたいなら夜は寝るべし! 中学受験合格者の9割がしていること
合格する子の9割は朝勉をしている
睡眠の話にも関連しますが、中学受験生には、朝に勉強する習慣をぜひつけてほしいと思います。 脳のパフォーマンスが上がる時間帯を調べた研究では、人は朝昼集中型がもっとも多いそうです。夜のほうが成果が上がるというショートスリーパーは1割くらいにとどまるのだとか。 夜に勉強するよりも、朝のほうが効率が上がりやすいのは、僕も体感していて、これまでの教え子で合格した子の9割は朝の勉強習慣がついています。 同じ内容、同じ量の勉強をするならば、朝にやったほうが効率的で頭に残りやすいのは、ほぼ間違いないのではないでしょうか。 少なくとも、朝勉の効果を一度は自分たちで確認してほしいと思います。 朝勉の習慣をつけるには、「やること」をはっきり決めておくこと。計算ドリルや漢字ドリルを○ページやる、もしくは塾の宿題を1個やる、などでもいいでしょう。 布団から起き上がったら、パジャマも着替えずその勢いでそのまま勉強を始められるように、前の晩に問題集や参考書のページを開けたままにしておくのもコツです。 もしかしたら、きれい好きな親御さんは「身の回りを片付けてから寝なさい」とでも言いたくなるかもしれませんが、せめて受験勉強をする間だけは、目をつむってあげてください。
スクリーンタイムは朝にして、朝勉習慣とセットにする
僕はどの子にも、なるべく朝の勉強習慣をつけるように話しています。 当時小学6年生だった教え子の一人、Eくんは、 「朝が弱くて、どうしても起きられない」 と言って、なかなか始めようとしませんでした。 Eくんは一人っ子で、ちょっとおませくん。本をよく読んでいる分、口が達者で、大人に甘えるのが上手なところがありました。 「どうして朝、起きられないの?」 「うーん。寝るのが遅いから、かなあ。昨日もつい本を読んだり、テレビの録画を見たり……」 と、Eくん。 「録画? 何を見ているの?」 「機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)!」 「おお、ガンダムか。あれは名作や……。でもEくん、小学6年生となった今、もうテレビとかは本当は我慢してほしいんだけど。ライバルたちは必死に勉強しているわけだし、習慣で負けてほしくないんやけどなあ」 と、ボヤく僕。 「うーん。ガンダムだけは……」 「そうか。だったら、こうしよう。朝起きたら、ガンダムを1話だけ見てもいいってことにするのはどう? それで1話見たら、必ずその後、基礎トレと漢字だけはやる」 「わかった。それならできるかも」 お母さんによると、その次の朝から、いきなりEくんは朝起きられるようになったそうです。目覚めたら、まずテレビをつけて、録画していたガンダムを1話観る。するとシャキッと目が覚めて、脳も覚醒したその勢いで、朝勉強もいきなり始められたそうです。朝の勉強習慣は直前期まで続けられました。 Eくんに関しては他にもアドバイスしたことがいろいろあるのですが、これらが総合的にうまく作用して成績アップ。持ち偏差値より少し格上で「チャレンジ校」としていた市川の合格を取りました。 ここで僕がお伝えしたのは、皆さんがガンダムを見ればいいという話では、当然ありません(笑)。 起きるのが苦手だったり、朝の勉強習慣がどうしても身につかなかったりするならば、スクリーンタイムを朝にしてみる。「苦手なことは、楽しみとセットにする」という方法がある、ということです。 刺激で脳が目覚めて、朝勉の習慣もつきやすくなるでしょう(もちろん見すぎには注意!)。睡眠の妨げとなる夜のスマホやパソコンなどを防げるのも大きなメリットです。自由に発想し工夫して、良い習慣を味方につけましょう。 今回紹介したのはこちら! 『中学受験 奇跡を引き出す合格法則 予約殺到の東大卒スーパー家庭教師が教える』 長谷川 智也 (著)/講談社 ▼著者プロフィール▼ 長谷川 智也 ブログ名はジュクコ。1980年兵庫県明石市出身。高卒の両親のもとに育つもハードな中学受験を経験。白陵中学校・高等学校を経て、東京大学卒業後、大手塾に勤務、人気講師となる。2009年独立してフリーランスの「プロ家庭教師」に。既存の固定観念にしばられない、生徒個人を見つめた指導で数々の実績を上げる。独自のプログラム「究極の受験セカンドオピニオン・スーパーコンサル」は年間300件を超える申し込みが殺到する。甲冑メタルバンド「Allegiance Reign」のベーシストとしても本気で活動中。 著書には『中学受験 論述でおぼえる最強の社会・理科』『中学受験 論述でおぼえる最強の理科』(エール出版社)、『中学受験 自走モードにするために親ができること』『自考モードにする 中高6年間の過ごし方』(講談社)などがある。