ドルの行方、資産運用者はこう見る-米利下げや大統領選で荒い展開か
ミーラ・チャンダン氏
チャンダン氏はJPモルガン・チェースの外為戦略共同責任者。ブルームバーグがまとめたデータによると、同社は4-6月の主要通貨予測で第2位。
注目点:「ドルは現時点において、為替の世界を低利回り通貨と高利回り通貨の2つに分けている。米金利が上昇していた局面で最も大きな打撃を受けた通貨、つまり低利回り通貨は、米金利が再び低下するにつれて最も支えられる可能性が高い」
ドルのパフォーマンスは結局のところ、米成長見通し次第だと述べた。
トレード:「当社ではドルに関して控えめに強気だ。ドル高をなお想定しているが、過去数年に見られたドル高とは異なる種類のものだ」。ドルを支えるのは米成長のアウトパフォーマンスや高利回りというよりも、むしろリスクオフの逃避トレードとなる可能性がある。
リセッション(景気後退)となれば、ドル・円相場は1ドル=135円割れ、あるいは130円割れとなる可能性がある。ただし「全てのシクリカル通貨が弱くなるため、ドルはなお上昇する可能性もある」という。
ジョナサン・ダンシング氏
ダンシング氏はアムンディUSの債券責任者で、約500億ドルを運用するチームを監督する。
注目点:「米イールドカーブの短期ゾーンがどれだけディスカウントになっているかを踏まえれば、ドルがここまで弱くなったのも理解できる。しかしごく短期的には、やや売られ過ぎのように見える」
米国でリセッションのリスクが高まれば、質への逃避でドルは上昇する可能性が高い。しかし米金融当局が現在市場に織り込まれている以上の緩和を実施すれば、ドルは下落する可能性があると述べた。
トレード:「米金融当局がインフレに関してソフトランディングを成功させ、米経済を潜在成長率に近い状態で維持できるというシナリオの場合、ドルは今後約1年にわたってプラスマイナス3-5%の変動となるだろう」
原題:Where Money Managers See Dollar Going as Fed Cuts, US Votes (1)(抜粋)