ドルの行方、資産運用者はこう見る-米利下げや大統領選で荒い展開か
キャスリーン・ブルックス氏
ブルックス氏はXTBの調査ディレクター。ブルームバーグがまとめたデータによると、同社は4-6月(第2四半期)の主要通貨予測が最も正確だった。
注目点:「間違いなく、ドルを動かす第一の要因は相対的な金利差になる。年内のドル見通しは、今後の数週間に左右される可能性がある」
米利下げ観測が後退すれば、ドルには一息つく余地が生じると同氏。「選挙は為替市場での重要な要素ではまだないと考える」とし、「金融政策変更のまさに瀬戸際にあり、それが現時点では市場にとって政治よりもはるかに重要だ」と述べた。
トレード:「為替は今年、他の資産よりもボラティリティーが低い状況だが、ドルは徐々に2.5%回復する可能性がある」。「どの通貨に対して回復するかと言えば、それは円とユーロだ」
ただし、対ユーロでは向こう3-6カ月にわたって1ユーロ=1.11-1.08ドルのレンジ取引を想定しているという。
クリスティーナ・キャンプメニー氏
キャンプメニー氏はインベスコのシニアポートフォリオマネジャーで、60億ドル(約8500億円)を運用するグローバル債券チームに所属する。
注目点:「米金融当局が緩和サイクルに着手しようとする中、それがサイクル半ばでの調整であっても、中立に向かうより大幅な緩和であっても、ドルはこの先一段と持続的な下降局面に入る可能性がある」
そうした調整の場合、ドルは最大5%値下がりする可能性があり、米金融緩和が中立水準に向かう持続的なものとなれば、最大10%下落することもあり得ると同氏は述べた。
トレード:「過去1年間にわたって比較的効率の高い方法で通貨キャリー収益を得ることが可能だった」。「世界の経済活動が好調を維持する限り、これは続くと考える」
インベスコはメキシコ・ペソやブラジル・レアルといった利回りの高い通貨を選好しているが、これらの通貨に対する最近の特異な圧力には留意している。同社はこうしたポジションの資金調達通貨としてドルだけでなく、ユーロや中国人民元、スイス・フランも選好している。