“不可解な判定”が異常事態に…永山竜樹を破ったスペイン選手に日本語の誹謗中傷が相次ぐ「柔道ではなく殺人未遂ですよ」【パリ五輪】
柔道競技で起きた“不可解な判定”は、あらぬ方向に批判の矛先が向いてしまっている。 【画像】角田夏実の金メダルや阿部詩の涙、大岩Jのゴールラッシュも…日本勢が見せたパリ五輪の「悲喜こもごも」を厳選フォトでチェック! 事の発端となったのは、現地時間7月27日、パリ五輪の柔道男子60キロ級の試合。世界ランキング6位で初出場の永山竜樹は、準々決勝で同4位のフランシスコ・ガルリゴス(スペイン)に「片手絞め」で一本負け。しかし、決着方法が波紋を呼んだ。 まさかの展開だった。試合終盤、寝技に持ち込まれた永山は、ここでコールされた主審の「待て」の合図を確認。しかし、「騒音で気づかなかった」というガルリゴスは絞め技を6秒ほど継続してしまう。 「待て」の合図で試合が中断されると思い、完全に脱力していた永山はガルリゴスに絞め上げられて失神。これを確認した主審は「絞め技で意識を失った場合に自動的に一本」というルールに沿って一本をコールしたのである。 試合後も判定を不服とした永山は、ガルリゴスの握手も拒否。畳の上に立ち尽くして抗議を展開したが、主審はそれを認めず。結局、判定は覆らなかった。 まさに“悪魔の6秒”だった。試合後に現地メディアのインタビューに応じたガルリゴスは「昔からそうだったし、ルールは誰にとっても同じだ」とあくまで自身に落ち度はないと釈明。彼のコーチを務めたキノ・ルイス氏も「彼らは負け方を知らなければいけないし、エレガントでなければならない。フランは競争して勝つためにここに来ただけ」と強調した。 ただ、こうした批判を意に介さないガルリゴス側の態度もあってか、反発はエスカレート。本人の公式Instagramには2700件を超える批判コメントが日本語、英語、スペイン語で集まる異常事態となった。 冷静な指摘ならまだしも、酷いものは彼の人格を否定するものもあった。中には日本語でのコメントで「柔道をやる資格もありません」「神聖なる柔道に対する冒涜」「あなたがやったことは柔道ではなく殺人未遂ですよ」「道着を脱げ。2度と柔道をするな」と物騒なものもある。 こうした異常事態にルイス氏は、スペイン紙『AS』で「私には(誹謗中傷は)理解できない。私は(ネットで批判をする人たち)彼らが正しくないと思うし、死ぬまでフランを守る」と教え子を慮った。 五輪の影響力と言えば、それまでかもしれない。だが、誹謗中傷で一方的にガルリゴスを痛めつける行為は許しがたい [文/構成:ココカラネクスト編集部]