厚生年金「ひと月30万円超」を受給することは可能?現代シニアの平均受給額はいくらか
厚生年金を最大限受け取るには?
上記計算式から、厚生年金を最大限受け取るには以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。 ・加入期間を長くする ・毎月の給料を63万5000円以上にする ・賞与は1回の賞与額を150万円以上にして年に3回受け取る 厚生年金は最大で70歳までの加入となっており、下限は設定されていませんが、会社員として働くことを考えると、早くとも16歳程度からとなるでしょう。 16歳から70歳まで厚生年金に加入した場合、加入期間は648月となります。 また、標準報酬月額が32等級で、150万円の賞与を3回受け取った場合の平均報酬月額は以下の通りです。 ・{(65万円×12ヶ月)+(150万円×3回)}÷12ヶ月=102万5000円 以上から、厚生年金の報酬比例部分の受給額は以下の通り計算できます。 ・102万5000円×5.769/1000×648ヶ月=383万1770円(端数四捨五入) このため、厚生年金の月額は以下のようになります。 ・383万1770円÷12ヶ月=31万9314円 上記のような条件を満たすことで、理論上はひと月で30万円超の厚生年金を受け取れることが分かりました。 上記に加えて、老齢基礎年金や厚生年金の経過的加算、加給年金額なども条件を満たせば受け取ることが可能です。
将来の年金見込み額を把握しておこう
厚生年金の平均受給額から、実際の計算方法をご紹介し、厚生年金を最大限受け取るための条件をご紹介しました。 理論上、毎月の給料や賞与を最大限受け取り、16歳から70歳まで加入することで厚生年金だけでひと月に30万円超の受給を受けることが可能です。 とはいえ、上記条件を満たすためには実際には16歳から1200万円以上の年収を受け取る必要があることから、実際には条件を満たすことはかなり難しいといえるでしょう。 本記事でご紹介した方法で、ご自分の将来の厚生年金受給額をある程度計算することも可能です。ご自分がいくら受け取れるか気になるという方は、ぜひ参考になさってください。
参考資料
・日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和6年度版) ・日本年金機構 報酬比例部分 ・厚生労働省 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
逆瀬川 勇造