訪問先の家のスリッパ「履きたくない」人と「履かせたい」人の終わりなきバトル 「絶対洗ってないよね」「床を汚されたくない」それぞれ譲れない事情
女友達が勧めてきた「まさかの理由」
一人暮らしの女友達の部屋に上がる際、スリッパを勧められた時のことを振り返るのはYさん(40代/女性/東京都)だ。「スリッパって、汚い足の裏で床を汚さないようにするためのものかと思っていたんですけど、彼女の家では違ったんです」と、まさかの事態に直面したことを明かす。 「どうしてもその日、貸していたものを返してもらう必要が出て、当時一人暮らしをしていた友人の家に行ったんです。すると、玄関で『これ履いて』とスリッパを促されました。 私は普段スリッパを履く習慣がないこともあって、『ワンルームでスリッパなんて用意してるの!?』と最初はその“女子力”に驚きつつ、『気を遣わなくて大丈夫よ』と履かずに上がろうとすると、『いや、履いて』って相手も引きません。とはいえそのスリッパが薄汚れていたので躊躇していると、彼女が『床が汚いから履いたほうがあなたのため。髪の毛がめっちゃ落ちてるの。私も履いてるから』と一言。たしかによく見ると、彼女の長い髪があちこちに渦巻いているし、部屋の隅はホコリが溜まっていて……。いつも清潔感があってオシャレなイメージだっただけに、家の不潔さは衝撃でした。 髪の毛を踏むのも嫌なので、結局スリッパを履いて部屋に入ったんですけど、そもそもスリッパを履かないで済むように掃除すればいいのに……と思ったのは内緒です」(Yさん)
家に来る人は“汚いもの”扱い
Yさん同様、Aさん(40代男性/東京都)もスリッパを“強要”されたことがあるが、理由はむしろYさんのケースと真逆だ。 「ご近所さんで、母が親しくしている高齢女性の家にお茶に呼ばれて、母と一緒に伺った時のことです。その人の家はどこもかしこもピカピカで、玄関では立派なスリッパを勧められました。ただ、母はスリッパを履いていて転んだことがあるので、危ないなと思って“お構いなく”とやんわり遠慮しようとしたら、『履いて。いいから履いて』と絶対にスリッパを履かせるという脅迫めいた圧が……。さらには、『床が汚れるから』と言い放たれました。 そうかもしれないけど、失礼なことを言うなあ、と思いながら母ともどもスリッパを履いたのですが、後日共通の知人から話を聞くと、この女性は潔癖症で、家に来る人は“汚いもの”扱いなんだそうです。じゃあ呼ぶなよと思いましたし、面倒なので二度と行く気はありません。用事があれば、うちに来てもらうスタイルにしようと思います」 スリッパを履きたくない人と履かせたい人。履きたくない理由が衛生面だけなら、来客には使い捨てスリッパを勧めるのもありかもしれないが……。(了)