J2後半戦の行方をデータで分析!
J2は全42試合のうち24試合を消化し、シーズン後半戦に突入している。7月は4月、5月に続いて年間3度目の月間6試合をこなす過密日程が組まれており、肉体的にもきつくなる後半戦でどれだけ勝点を積み重ねられるかがJ1昇格へのカギとなりそうだ。今回は昇格レースを占う意味でも、前半戦終了時の順位と昇格チームの関係性を探ってみたい。
■自動昇格圏チームの行方
まずは前半戦を自動昇格圏内で終えたチームの動向を検証してみたい。表1には前半戦自動昇格圏に位置したチームと、最終自動昇格チームを過去10年分まとめた。 前半戦で自動昇格圏内にいた全23チーム中16チーム(69.6%)が、シーズン終了時にそのまま自動昇格している(表1-2)。また、首位ターンのチームに限っていえば10チーム中9チームが自動昇格し、そのうち7チームが首位でシーズンを終えている。このデータからも分かるように首位で折り返すチームというのは、大崩することも少なく、ある程度完成されたチームであるようだ。今シーズンを首位で折り返した大宮も同様で、後半戦開始後も上位陣で唯一3連勝を飾るなど安定した力を誇っている。 仮に自動昇格圏には残れなかった場合でも、5チーム(21.7%)がプレーオフ圏内に入っており、前半戦を自動昇格圏内で折り返したチームが6位までに入る可能性はかなり高いと見てよさそう。 では、自動昇格圏へ入るにはどのあたりの順位までで折り返すのが理想なのか。残念なことにプレーオフ圏外から自動昇格したチームは、ここ10年でいうと存在しない。全てプレーオフ圏内で折り返したチームのみが自動昇格できており、プレーオフを回避して自動昇格するには、プレーオフ圏内で折り返すことが重要なようだ。
■プレーオフ争いもし烈
次は、そのプレーオフ圏内にまで範囲を広げて話を進めたい。表2-1にはプレーオフ圏内で折り返したチームと、最終的にその順位にいたチームをまとめた。 先述のプレーオフ圏内から自動昇格圏に順位を上げたチームは10年で5チーム(表2-2)、そのままプレーオフ圏にとどまったチームが20チームという結果が出ている。70%近くがプレーオフ圏内に残る一方で、32.4%(12チーム)もプレーオフ圏から脱落してしまっているのも事実。3~6位で折り返したチームのうち、1~2チームが昇格に絡めない計算なので、プレーオフ圏周辺のどのチームにもチャンスがあるとみていいだろう。圏内のチームも前半戦の貯金では油断できない。 それと同時に前半戦プレーオフ圏外だったチームで、最終的にプレーオフ圏内に順位を上げたのは、14チーム(37.8%)存在する。中には、前半戦二桁順位ながらもプレーオフ圏入りしたチームが4チームあるなど、プレーオフ争いはこれからといえる。現状では札幌が後半戦に入って失速ぎみな一方、東京Vが勝点を着実に積み上げつつあるが、最終的にどのチームが6位までに入るのか楽しみだ。