「au TOM'S GR Supra」が最終戦を前にポイント大量リード! SUPER GT第8戦GT500の決勝の模様をレポートします
2番手の64号車Moduloがペースダウン……
そして36号車と明暗分かれたのが同じくトムス陣営の37号車Deloitte TOM'S GR Supra。37号車は第7戦終了時点で36号車と2ポイント差のランキング2番手につけていたが、レース12周目になんとスロー走行からガレージイン。その後チームがフロントボンネットを開けて作業をしている姿が確認されたが、痛い戦線離脱となった。 首位を走る36号車au TOM'Sは快調にリードを広げた。というのも、2番手の64号車Moduloのペースがガクンと落ちていたのだ。その影響で64号車の後ろには長い隊列ができてしまったが、そこを抜け出したのは38号車KeePer CERUMO石浦宏明。8号車ARTA、64号車を90度コーナーで立て続けに料理し、2番手に上がった。 レースは3分の1を消化し、ピットウインドウが開くタイミングとなったが、GT500の各車は22周~24周の内にルーティンストップを実施(※トラブルで周回遅れとなっていた37号車Deloitte TOM'Sを除く)。36号車au TOM'S、38号車KeePer CERUMO、8号車ARTA、16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraというトップ5になった。
36号車は20秒ものギャップを築きフィニッシュ
トップの36号車au TOM'Sは、山下健太のドライブで後続とのギャップを17秒まで広げ、レース後半は盤石の走りを見せた。8号車ARTAの野尻智紀は一旦は2番手の38号車KeePer CERUMOに追い付いたが、その後は膠着状態。中団では接近したバトルが展開された一方で、上位陣は順位変動が見られないまま終盤に入っていった。 しかし、8号車ARTAは再び38号車KeePer CERUMOとの差を縮め始めると、野尻が53周目に38号車をオーバーテイクして2番手に上がった。 その後方では入賞圏内を走るマシンに次々と波乱が。14号車ENEOS X PRIME GR Supraはスロー走行の後にガレージイン。17号車Astemo CIVIC TYPE R-GTは3号車Niterra MOTUL Zとポジションを争う際、S字で3号車とGT300クラスの31号車apr LC500h GTに挟まれる格好となり、ダメージを受けてこちらもガレージにマシンを収めた。 36号車au TOM'Sは後続にじつに20秒ものギャップを築き、圧巻のひとり旅を見せつけてトップチェッカー。今季2勝目となった。2位は8号車ARTAで、3位は16号車ARTAを0.136秒差で退けた38号車KeePer CERUMOだった。
最終戦を前にしてライバルに対して大量リード
36号車au TOM'Sは、今回の勝利でポイントを74点まで積み上げ、最終戦を前にしてライバルに対して大量リードを築いた。6位に入った100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTが56ポイントでランキング2番手、38号車KeePer CERUMOが52ポイントでランキング3番手、37号車Deloitte TOM'Sが51ポイントでランキング4番手となっており、上記4台にタイトルの可能性が残されているが、ポールポジション+優勝で23ポイントということを考えると、逆転は容易ではない状況だ。
戎井健一郎(EBII Kenichiro/motorsport.com)