【ブータン】島根・海士町とチュカ県が覚書、交流深化へ
島根県・隠岐(おき)諸島の海士(あま)町は8日、ブータンのチュカ県との間で、国際交流に関する覚書を結んだと発表した。両地域は今後、対等な立場で引き続き協力し、教育の魅力化や地域活性化、人材育成に取り組む。海士町が海外の自治体と覚書を締結するのは今回が初めて。 海士町は2016年から毎年、行政関係者ら研修員をブータンから受け入れ、教育の魅力化や地域振興、観光を学び合ってきた。また、海士町の高校生をチュカ県に派遣して現地の高校生と一緒に学ばせたり、教育関係者を送って海士町独自の「地域課題解決型学習」をチュカ県に伝えたりしている。 海士町とチュカ県が覚書を結んだのは24年9月。海士町はこの先、チュカ県と一層連携し、人口流出という共通課題に向き合いながら、魅力ある人づくりや、地域・世界とのつながり構築、交流・関係人口の拡大を進める。海士町郷づくり特命担当グローカルコーディネーターの河添靖宏氏は8日、NNAの取材に対し、「覚書を機に、各活動をより実りあるものにしたい」と話した。 チュカ県は、ブータンの首都ティンプーから南へ車で約3時間の山岳地帯にあり、インドとの国境沿いに位置。自然豊かな山間で農業を営み、地元の伝統的な生活を多く残す。ブータンの生活を支える水力発電所であるチュカ・ダムがあり、国境沿いに位置するため物資流通の拠点にもなっている。