ガサガサ肌をツヤツヤ肌に変える!絶対にやるべき5つのこと
冬になると多くの人が悩まされる、肌の乾燥。その原因は、肌のバリアー機能が低下することにある。どう対策を講じればいいか? 東京・豊島区にある巣鴨千石皮ふ科の小西真絢院長に聞いた。 皮膚を見れば病気が分かる(4)手指の関節の赤みから皮膚筋炎と大腸がんが見つかった ◇ ◇ ◇ 夏でも乾燥は起きるが、顕著に症状が現れるのはやはり冬場だ。閉め切った部屋で暖房を使うことで空気が乾燥する。一歩外に出ると、冬場の冷たく乾いた風が肌を直撃する。これらが肌への刺激となり水分が奪われるため、バリアー機能が低下して乾燥してしまう。 「体の中で皮膚が薄い場所は特に乾燥しやすい。顔ならば目の周りで、隠しようがないため、外気にさらされ乾燥が進みます。メークなどでよく触れる場所であることも、皮膚刺激になって乾燥が進む原因になっています。乾燥がひどく、痛みを感じている方もいます」(小西院長=以下同) 意外と乾燥しやすいのは首。相談が多いのは、脚のすねや膝の乾燥だ。乾燥が進み、タイツや化繊のレギンスなどを脱いだときに表皮がポロポロと一緒に剥がれてしまうこともあるという。 乾燥対策で何より重要なのは、入浴後の処置だ。 「お風呂から上がった肌は速いスピードで乾燥していくので、タオルで濡れた体をざっと拭いたらすぐに何らかの保湿剤を顔と全身にくまなく塗ってください。皮膚が少し湿った状態でもかまいません。とにかく早く保湿する。これに尽きます。入浴後すぐの保湿で、乾燥はかなり予防されます」 小さな子供がいるなどさまざまな事情で、入浴後すぐの保湿が難しいケースもあるだろう。それでも「一刻も早い保湿」を意識しているかどうかで、行動に違いが出てくる。 とにかく保湿をマメに行うことも忘れずに。肌に合った保湿剤を小分けにし、外出時は携帯し、痛みやかゆみが出る前に保湿するのもおすすめだ。 ■「あったかインナー」に要注意 夏と冬とではシャンプーやトリートメント、化粧水などは替えたほうがいいのか、気になるところ。 「夏に使っていたものが、『さっぱり』などをうたった皮脂吸着などに特化したものであれば、秋冬は『しっとり』のもの、つまり保湿重視と銘打った商品に替えてもいいでしょう。ドラッグストアで保湿剤を購入する場合の選択の目安は、セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン、アミノ酸、グリセリンなどが配合されたもの。ご自身の皮膚に合うものを探してみてください。ですが、通年変わらず使用していて肌のツッパリなどの症状が出なければとくに季節で替える必要はありません」 洗い方も気をつけたい。石鹸やボディーシャンプーなどは必ずよく泡立てて、ナイロン系のタオルなどではなく自分の手のひらを使って優しく肌に乗せるようにして洗う。 冬場になるとついやりがちなのが、熱めのお湯に漬かっての長風呂だ。これは乾燥を助長することになりかねない。リラックス効果を求める人には物足りないかもしれないが、肌の乾燥防止という点では冬といえども、お風呂の温度は40度以下、漬かる時間は5分以内が目安だ。 さらにチェックしたいのが、インナー(下着)やパジャマなど、肌に直接触れる衣類の素材。ふわふわ、あったか系の合成繊維の衣類を選んでいる人は、見直した方がいい。 「乾燥対策を重視するなら、やはり肌に触れるものは綿素材のアイテムを選んで欲しい。ふわふわ素材をパジャマにする場合は、インナーに綿素材のものを着用すると乾燥度合いが違います。当院にもあったかインナー着用によるかゆみやかぶれを訴えられる患者さんが毎年多く来院されます」 冬場といえども汗をかく。合成繊維のインナーだと汗が吸収されず、乾燥した皮膚に汗がついたままになり、常在菌のカビなどが増えてかゆみやかぶれを引き起こすことがある。乾燥が気になる人、肌がかぶれやすい人は、インナーやパジャマなど肌に直接触れる衣類は、綿素材のものを選ぶべきだ。 幼児やお年寄りは皮膚が薄いため乾燥しやすくなるので注意が必要。かゆみが出てかき壊してしまった場合はすぐに皮膚科を受診したい。