【少なからず台風10号も影響か?】 2024年8月期の新車販売台数 2カ月ぶりに前年実績割れに後退
業界団体の関係者の声
8月期の新車販売の動向に関して業界団体の関係者は、「先月(7月期)は今年に入って初のプラスを達成したものの、今月(8月期)は再びマイナスに転じてしまった。 主な要因は、データ試験の不備が見つかったことに伴うトヨタの一部車種の生産・出荷停止や、全車種の生産・出荷を再開したものの生産現場の回復が追いつかずに販売が伸び悩んだダイハツ、さらに市場全体で新型車の発表が少なかったことなどがあげられる。 8月末は台風10号の影響が長引いてディーラーへの客足が伸びなかった点も、販売台数に少なからず影響を与えた」と指摘する。 今後については、「新車の需要は新型車を中心に一定の水準を保っているものの、従来よりも新型車の受注台数の伸びが鈍り、合わせて好調な販売を維持する期間が短い車種が増えていることは不安要素。 一方、トヨタのヤリス・クロスとカローラ・アクシオ/カローラ・フィールダーの生産・出荷が9月2日より再開し、またノア/ヴォクシーなども基準適合性が確認されており、準備ができ次第生産・出荷を再開する見込みなので、販売台数の落ち込みは限定的になると予想される。 台風10号の影響で稼働を停止していたトヨタやダイハツ、マツダ、三菱自動車などの工場も9月2日から順次再開しており、出荷は早期に通常の状態に戻るだろう。 一方で新車市場全体で見ると、実質賃金が物価上昇に追いついていないことから個人消費の弱さが目立っており、さらにダイハツが認証不正問題の余波(11月以降に発売する新車にバックモニターを付けるなど、新たな保安基準への対応の遅延)でコペンやハイゼットトラック、トールおよびトヨタ・ルーミーなど複数車種の生産を10月末から再び停止するといった報道が出ていることから、新車販売は予断を許さない事態が続く」と示唆した。
大貫直次郎(執筆) AUTOCAR JAPAN(執筆)