「これをやめたら、だらしないババアになるんじゃないか」大久保佳代子(53)が陥ったルーティンの罠? 生活は整うが、孤独は深まり…
大久保佳代子のほどほどな毎日 #3
芸人・大久保佳代子の一日はルーティンに始まり、ルーティンに終わる。判を押したように同じような日々を送る中、ふと気づくと「あれ…私って孤立してる……?」。心地よい自分だけの世界に浸りながらたどり着くのは……ある俳優の境地だった。 【画像】「ルーティンのせいで私の孤立が深まっている?」と大久保佳代子氏
コロナ禍からのルーティーンに芽生えた「不安」
私の生活にルーティンが生まれ始めたのがコロナ禍です。 家で過ごす時間がグンと増え、ダラダラしていると1日があっという間に終了。 区切りなく流れていく日々のなか、人生を無駄使いしているような気がして「ちゃんと時間割を作ろう」と、ルーティンを設けるようになったんですよね。 ただ、それが、気づけばどんどん増えていて……。 毎日、朝は家を出る2時間前に起床。 まずは愛犬パコ美の寝起き散歩に向かい、帰宅後はパコ美のトイレを片付けてゴハンをあげて、それが終わったら、私の朝食。 6枚切りの食パンとコーヒー(インスタント)を朝食にいただきます。 その後は、歯を磨き、美顔器を10分あてて、掃除機をかけ、二日に一回はフローリングモップで床をふき、エクササイズを20~30分。 すると、ちょうど家を出る時間になっているっていうね。 ちなみに、今朝の行動も寸分違わず全く同じ、毎日同じ、ビックリするくらい同じ。 いやもう、本当に怖いよね。 最初はね、これが気持ちよかったんです。 ルーティンを達成するたびに「今日は良いスタートを切れたぞ!」って前向きな気持ちで家を出られたしね。 でも、最近はこのルーティンに自分自身が縛られてしまっているような気がするんですよ。 例えば、仕事帰りに「飲みに行かない?」と誘われたとします。 最初は「明日は8時に家を出ればいいから行こうかな」と思うんだけど「あれ、でも8時に出るなら6時に起きないといけないのか。だったら意外と時間がないな」と、誘いを断ってしまう自分がいたり。 二日酔いの日くらい怠ければいいのに、吐き気と頭痛に耐えながら、必死に掃除機をかけてしまう自分がいたりして……。 ルーティンは決して悪いことではないと思うんです。 一日が充実するし、そんな日々を過ごせている自分自身にも安心するし。 掃除をすれば部屋も綺麗になるし、美顔器をあてたりエクササイズをすれば私自身も綺麗になるしね。 全身鏡にうつる自分の裸体にガッカリすることもあるけれど、「エクササイズをやっていなかったらもっとヤバイことになっていたかもしれない」と気持ちが前を向いたりもする。 お肌も劣化の一途を辿るばかりですが「今日は美顔器をあててきたからきっと大丈夫」と、スッピンのままでも多少胸を張ってテレビ局に入ることができる。 日々の努力は安心材料になるし、「実年齢の53歳より、ちょっとイケているんじゃないか」という自信を届けてくれるんですよね。 でも、だからこそ、「これをやめたら、だらしないババアになるんじゃないか」「ダメな人間になってしまうんじゃないか」って、ルーティンを崩すのがどんどん怖くなっていってる今現在。 一人でいる不安、老いの不安、年齢を重ねるたびに不安は増えるばかり。 だからこそ、日々のルーティンを完璧にこなすことで「私は大丈夫」「一人だけど大丈夫」「53歳だけど大丈夫」と自分を保っているというか。 なんとか自分を正当化して成立させようとしているのかもしれない。