50代で脱サラして離島で暮らすおじさん3人、驚きの誤算で大忙し…「月3千本造っても足りない」長崎の人が次々とファンになるクラフトジン「GOTOGIN」の今とこれから
大手では味わえない、直接やり取りができる喜び
同様に、ここに移住、起業してから価値観や時間の使い方が変わったと、マーケティングディレクターの小元俊祐さんも話す。 「楽しんで仕事しよう、というところから始めたので、できる範囲の中でやっています。以前は時間の流れがもっと速かったですね。付き合うのも、同業者など自分と同じような人たちとが多かった。 でもここでは老若男女、いろんな人たちとの交流が楽しい。神父さん、農家の人、漁師さん、看護師さん、合唱団サークルの仲間。プライベートな時間も釣りなど、お金をかけずにやりたいことをやる人が多いですね」 キリン時代も仕事には恵まれていたと思っている小元さんだが、以前はやれていなかったことが今できていて、さらに楽しいという。 「大手メーカーではたくさんの人に喜んでもらえる商品をつくるために、広告で投資をして利益を上げるビジネスモデルで、やり甲斐もありましたが、お客さんとは直接話す機会も少ないし、顔が見えにくい。 でもGOTOGINは、ファンになってくれた人たちと直接やり取りができる喜びがあります。ここ五島までわざわざ来てくれたり、自らPRしたり、ファンの人たちが魅力をひろげていってくれています。そうやって応援してくれる人がたくさんいるから、3人だけでやっている感じがしない。 特に島の人たちは“自分たちの酒”と思ってくれて『ありがとう』『地元が誇りに思えてきた』などといってくれます。この土地のおかげでGOTOGINができたのだから、こちらこそお礼をいいたいのに」 家族と離れての単身離島暮らしの小元さん。ふだん注意していることを聞いてみた。 「毎日楽しいですが、以前よりも重いものを持ったり、体を酷使する仕事もしますから、体調に気をつけていますね。あと、ありがたいことに家の近所では面が割れていて(笑)、スーパーで買い物をしていても声を掛けてもらったりするので、赤信号ではちゃんと止まるとか、行儀よくしています(笑)」
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