本当に整備できるのか…資材高騰で新築工事の入札が不調に終わった義務教育学校、開校時期が示されず住民から不安の声 鹿児島市
鹿児島市が建設する初の義務教育学校「桜島学校」の整備方針などを話し合う検討委員会が11日、桜島公民館であった。市教育委員会は新築工事の入札が不調に終わった経緯を説明するだけで開校時期は示さず、住民から不安の声が上がった。 【写真】〈関連〉桜島学校の建設予定地=鹿児島市桜島横山町
桜島地域のコミュニティ協議会やPTAの会長ら委員14人が参加。市教委は冒頭で「計画通りに進んでおらず大変申し訳ない」と謝罪した。2026年4月開校を目指し、今年7月から2度入札を実施したが、いずれも不調となったことを報告した。 委員からは「(閉校まで)約1年5カ月しかない。本当に整備できるのか」「建物が完成せず、急に既存の学校を使うとなったら、先生や子どもたちも戸惑う」などの意見が出た。市教委は応札者や設計業者にも聞き取りをするとし、今後の方針は「持ち帰って検討する」と述べるにとどめた。 このほか、資材高騰による入札不調が全国的に見られる中で、今回の入札で市の予定価格の積算が「適正だったか見極めが必要だ」との意見があった。 終了後、桜洲小学校のPTA会長を務める福島大輔さん(51)は「教室だけでも予定通り開校してほしい。教職員やPTA、同窓会などそれぞれが閉校に向け準備してきた。(遅れるなら)肩透かしをくらった気分だ」。傍聴した東桜島中学校1年の中村啓史郎さんは「3年生を新校舎で迎えることを楽しみにしているが、どうなるのか心配だ」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島