露タンカー2隻がシケで難破 ケルチ海峡原油流出 1隻沈没
ケルチ海峡、12月16日 (AP) ― 大シケのケルチ海峡でロシア船籍のタンカー2隻が難破し、積み荷の原油が流出、緊急救助活動が開始された。ロシア当局が12月15日、国営メディアに公表した。2隻のうち1隻はその後沈没したと報じられている。 タス通信によると、13人の乗組員と燃料油を積んだタンカー「ボルゴネフト212」が座礁し、船首が引きちぎられたと報じた。乗組員1人が死亡したが、残る12人は救助されたという。 2隻目のタンカー「ボルゴネフト239」も重大な損害を受けて、14人の乗組員を乗せたまま漂流。非常事態省によると、同船はその後、ロシアのクラスノダール地方のタマン港近くで、岸から約80メートルの地点で座礁。救助活動が開始された。 ケルチ海峡は、クリミア半島とロシア本土を隔てる海峡であり、アゾフ海から黒海を繋ぐ世界的に重要な航路である。 また、2014年にロシアが一方的に同半島を併合した後、ロシアとウクライナの対立の重要なポイントにもなっている。 2016年、ウクライナはモスクワを常設仲裁裁判所に提訴し、ロシアがこの地域の支配権を不法に掌握しようとしていると非難した。ロシアは2021年、数カ月にわたって同海峡を閉鎖した。 (日本語翻訳・編集 アフロ)