西田有志の「グッド・エナジー」がチームを輝かせる 大阪ブルテオン、連勝で首位に
【試合の流れを引き寄せる活躍】 「あそこ(サーブ)は勝負しても大丈夫な場面でしたし、もしビハインドだったら、メンタル面も違いますけど。そのなかでエースを取った、というところで、一気にこっちに流れが来たのかなって思います」 西田は静かなトーンだが、確信を込めて言う。 「そういう(流れをものにしなければならない)シチュエーションって、どの選手も決め急いでしまうんで......その前のS5(バックレフト)のローテでも、自分にトスを上げてくれてブロックアウトを狙って、あそこに打っているんですが、そこは大きかったと思います。何回も何回も、ああいう場面を経験してきて、やっぱり焦っても点数を取れない。一歩引いてやるっていうことをしています」 彼は淡々と言うが、コートでは気力に満ちていた。ここぞ、という場面で輝く。それは英雄的な仕事だ。 おそらく、このセットを26-24で取った局面が、この試合のターニングポイントだった。 「(序盤は)我々の試合だったが......。惜しむらくは2セット目の終盤、西田選手のサーブに対して、もう少し精度が高いプレーができていたら......」(名古屋、バルドヴィン・ヴァレリオ監督) 敵将も、そう言って唸るほどだ。 3セット目も、西田が中盤に連続得点で突き放した。彼は続けて要所で流れを引き寄せ、バックアタックは止められない迫力があった。仕上げはレフトから強烈に左腕を振って、25-23で再び接戦をものにした。 4セット目は、すでに流れに乗っていただけに、25-16と粉砕。逆転する格好でセットカウント、3-1で勝利を収めた。 「タフな試合が続いていて、昨日の疲れもありながら、勝ちきれることができました。でも、これに満足せず、さらによいパフォーマンスができるように......」 西田は試合後に語ったが、接戦を制するめざましい活躍だった。ホームゲームは瞠目すべき熱気で、彼はSVリーグのトップスターとしての"使命"を果たしている。チームは連勝で5勝1敗とし、ジェイテクトSTINGS愛知と勝率で並んで首位だ。