予選会11位で本戦出場を逃し、肩を落とす東農大の選手たち＝国営昭和記念公園（撮影・福島範和）

第101回東京箱根間往復大学駅伝（来年1月2、3日）の予選会が19日、東京・陸上自衛隊立川駐屯地をスタートし、立川市街地を経て国営昭和記念公園でゴールするハーフマラソン（21・0975キロ）で行われた。43校が参加し、上位10校に与えられる出場権を各校上位10人の合計タイムで争い、2年連続71度目の本大会出場を目指していた東農大は11時間1分26秒の11位。10位の順大は11時間1分25秒で、わずか1秒差で落選した。 会場にどよめきが起きたのは、東農大のタイムが発表されたときだった。10位の順大とはわずか1秒差。東農大の選手たちは涙を流して悔しがった。 「フィニッシュがチーム内3番目になってしまって、稼ぎ役として全く役目を果たせず、みんなの1年間の苦労を僕が全て台無しにしてしまった」 副主将の原田洋輔（3年）は責任を背負い込んだ。今年5月の日本選手権1万メートルで日本歴代5位、日本人学生歴代最高の27分21秒52をマークして3位となった絶対的なエースの前田和摩（2年）が、日本選手権後に肺気胸を発症。小指徹監督（60）は8月上旬には今大会を前田抜きで戦うことを選手たちに伝えた。 第100回の記念大会だった昨年の予選会で、上位13校に与えられる出場権を11位で獲得。前田は1年生ながら日本選手トップの9位とチームを牽引（けんいん）し、10年ぶりの箱根路行きの最大の立役者となった。大黒柱の不在が結果的には響いた。小指監督は「結果から見りゃ1秒差っていうことで、ちょっと悔しいですね。半面、前田なしでここまで戦えたっていうのは非常に大きくて、また来年に向けてさらに頑張ろうっていう気持ちにはなっています。来年は前田の復活も見られますし、箱根経験者も6人いますし、あと新入生も入ってくるんで、トップ通過ぐらいを目指してやろうかなと思います」と言葉に力を込めた。 原田は「前田なしでもちゃんと戦えたことは証明できている。来年はこの1秒を1年間みんなで重く受け止めて、4年生の悔しさも必ず晴らして、箱根駅伝で粘り強く戦っていけるチームを作っていこうと思います」と決意を述べた。 なお、前田は既にジョグを初めており、小指監督は「練習の状況を見ながらだんだん負荷を入れていって、どっかの試合に出るっていう計画です」と明かした。（尾﨑陽介）