アマゴの人工授精作業始まる 熊野の「赤倉水産」
【熊野】アマゴの養殖販売を営む三重県熊野市育生町赤倉の「赤倉水産」で8日、アマゴの人工授精作業が始まった。11日までに約800匹から100万粒の卵を取り出す予定。 同社は尾川川の清流を引き込んだ養殖池で、50年近くアマゴの養殖を続けている。雌の産卵期に合わせ、毎年11月ごろに体長3、40センチの成魚を選んで作業する。 作業は従業員らが雌の腹から直径約5ミリの卵を取り出し、雄の精子をかけて受精させた。重さを量って専用の網に入れた後、水温14度以下に保たれた水槽に沈めた。 卵は40日ほどでふ化し、体長約1・5センチの稚魚が生まれる。1年かけて約20センチの成魚に育つという。25万匹は発眼卵の状態で養殖業者に販売。稚魚は熊野川流域に放流したり、地元や関西圏に売ったりする。 同社の福本和亮社長は「気温が高かった影響で魚が餌をあまり食べなかった。卵の成熟具合は良くない」としつつ「例年通りおいしい魚に育つと思う」と話した。