北陸の1か月予報 暑熱順化がリセットされる? 梅雨入りは? 大雨への備えを万全に
梅雨入りは? 「速報値」の後に「確定値」で変更されることも
気象庁では、梅雨を「晩春から夏にかけて雨や曇りの日が多く現れる期間」と定義しており、季節が移り変わる中で現れる季節現象の一つとして捉えています。季節の歩みは行きつ戻りつ、ある日を境にドラスティックには変わりません。このため、梅雨入り・梅雨明け日の末尾には「・・ごろ」と付けています。 また、降水の要因は、梅雨前線に伴うものだけに限りません、寒冷前線など別系統の前線、気圧の谷や低気圧、台風や上空の寒気に伴うものなど様々あり、防災上の観点から、暖候期の雨の季節に関する注意喚起をするものとして、総合判断して梅雨の期間を検討しています。 梅雨入りや梅雨明けの発表方法は、現在までの天候経過と1週間先までの見通しをもとに、気象情報の一種の「梅雨の時期に関する気象情報」としてまず「速報値」を発表します。その後、春から夏にかけての天候経過を改めて振り返り、梅雨入りと明けの時季を確定させる作業を行い、9月初めにこれを「確定値」として改めて発表しています。 「速報値」の発表は経済を動かすトリガーとなりますが、「確定値」の発表時に変更されることはしばしばあります。近年は、温暖化の影響もあり梅雨入り前でも大雨の発生頻度が増える傾向にあり、梅雨入りの「速報値」の発表有無にとらわれることなく、大雨への備えを万全にするようにして下さい。
日本気象協会 北陸支店 河原 毅