市川團十郎「褒めることをしない父でしたけど…」 病床の父からもらった手紙の思い出
歌舞伎俳優の市川團十郎さん(46)が、東京・歌舞伎座で行われる『團菊祭五月大歌舞伎』(5月2日初日)の取材会に出席し、亡くなった父との思い出を語りました。 【画像】父親のある言葉が胸に響いていたという市川團十郎さん 昼夜二部制で行われる本公演は、九世市川團十郎と五世尾上菊五郎の偉業を顕彰するために始まった5月恒例の公演です。團十郎さんは、昼の部で上演する『極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)』で、幡随院長兵衛を勤めます。 実はこの演目、2013年2月に亡くなった父・十二世市川團十郎さんから最後に教わった役だと明かし、「2012年の12月にDVDを(父の)病室に送って、見ていただいて。父は、私の本名・堀越寶世へということで手紙をつづってくれて、その手紙の中に私がやっている“幡随院長兵衛”への思いとか、こうだと思うよとか、もっと周りもこういうふうにしてもらいたいな、とかいうようなことを丁寧に書いてもらっていて、私の中で(父に)言っていただいてありがたかったな。思い出に残っている時でしたね」と話しました。 そして、「あまり褒めることをしない父でしたけど、映像でしか見ていないですけど、その時は珍しく“悪くないんじゃないのかな”という話で…。その時に、父が見て悪くないと思ってくれたようにできるように頑張りたいなと思います」と語りました。 また、昼の部で上演される演目『毛抜』は、「四世市川左團次一年祭追善狂言」と銘打たれ、團十郎さんは後見を勤めます。