東京五輪まで2年 海の森やカヌー会場建設は「概ね順調」
地上部分では、艇庫塔と審判団が入るフィニッシュタワーの骨格が組まれている最中だった。フィニッシュタワーの正面がゴール地点になる。大会時は2万4000席を設けるが、終了後は2000席に減らす。 工事の進捗は42%(6月末時点)。2019年5月完成予定で整備費用は約308億円。
●オリンピックアクアティクスセンター
水泳競技が行われるオリンピックアクアティクスセンター(東京都江東区辰巳)は、辰巳の森海浜公園内で建設が進められている。 五輪の競泳、飛び込み、アーティスティックスイミング、そしてパラリンピックの水泳の会場になる地上4階建て・地下1階建て(6万5500平方メートル)の大規模施設だ。整備費用も新設する会場の中で約567億円と一番高い。 現在は、厚さ約10メートル、重さ約6000トンという巨大な屋根をワイヤで釣り上げる作業の真っ最中。3段階でリフトアップしていき、今月中にも最後の15メートルを引き上げる作業を行う。屋根は最終的に37メートルの高さになる。
屋内にメインプールと飛び込みプール、屋外にサブプールをつくる予定だが、現時点ではプールの形はまだ見えておらず、今後の整備となる。 工事の進ちょく率は35%(6月末時点)。当初は2019年12月の完成予定だったが、現場から汚染土壌が出て、その処理に時間を要したため、2020年2月に完成予定が延びた。担当者は「大会開催には支障のないように工事を進める」としている。
●有明アリーナ
有明アリーナ(東京都江東区有明)は、五輪のバレーボール、パラリンピックの車いすバスケットボールの会場になる。 サブアリーナとメインアリーナの基礎工事や躯体工事が行われている。現場ではサブアリーナ側に仮設の鉄骨の足場が組まれていた。この足場の上で屋根を地組みして、レールで高さ約37メートルのメインアリーナ側にスライドして運ぶ工法を採っているためで、これによって、屋根の工事を高所ではなく「床」の上でできるという安全面や工期の短縮という利点があるという。