「腐ってないかなと思ったけど大丈夫」 渋野日向子は自宅倉庫で眠ってた“大エースパター”再投入し3戦ぶり決勝へ
<クローガー・クイーンシティ選手権 2日目◇20日◇TPCリバーズ・ベンド(米オハイオ州)◇6705ヤード・パー72> 渋野日向子の最新スイングを連続写真で分析! パープレーだった前半終了は予選落ちの危機に瀕していた渋野日向子だが、3つのバーディを奪ったバックナインで週末行きの道をこじ開けた。「(トータル)1アンダーでは無理だなと思っていた。もうちょっと早く決めたかったですけどね。18番は取れるパー5。取り切れてよかった」。狙いすましたバーディ締めで、トータル2アンダー・52位タイまで浮上した。 初日を終えた時点で、1オーバー・83位タイの出遅れ。1カ月ぶりの試合出場に加え、自身にとって2試合前の「ISPS HANDA スコティッシュ女子オープン」は棄権、そして前戦の「AIG女子オープン」は予選落ちと、2か月近く決勝ラウンドを戦えていない。巻き返しが必要な2日目だった。 「後半はすごく集中してできていた」。特に流れを作り出したのは2打目をグリーン奥に外しながら、寄せてパーを拾った14番と、グリーン右バンカーから2メートルにつけ、ここから沈めた15番のパーセーブ。ここを耐え抜くと、10メートル近くをねじ込んだ16番パー3、そして1.2メートルを決めた18番の2つのバーディで、カットライン上に滑り込んだ。 短い番手がカギになった。「ぺたっとつけたいと思ってた。2番も、横に4メートルぐらいですか。 昨日もきょうも、ウェッジで頑張れたらなというところは多かった。すごく切り替えてはできてましたね」。2日目のフェアウェイキープは8回ながら、チャンスを作り出していった。「(パットが)入ってくれなかったから、フラストレーションというか、 イライラは溜まりつつありました」。こんなモヤモヤはあったが、「めっちゃでか。すごいでかい」という予選通過にたどり着いた。 この日は31パットだったが、前日は28回だったグリーン上では試行錯誤も続く。パターを替えたのも、そのひとつ。この1カ月のオフの間に、2019年「AIG女子オープン」(全英)優勝時などでも使用していたかつての“大エース”『シグマ2 アンサー』再投入を決断した。「何年ぶりだろう。家の倉庫で眠ってたから腐ってないかなと思ってたけど、大丈夫そうです」。同じピン型だが、これまで使用していたものに比べ、ややヘッドの幅が狭い。「いい印象の方に戻そうと思った。自分の中でも構えや転がりがすごくしっくりきてるような気はする。入らないけど(笑)」。ひとつひとつ見直し、最善を尽くしている。 ただ何よりも、大きいのが気持ちの変化だ。「きのうもきょうももっとできたと思える。まだまだいけるなって思えるし、残り2日も攻めていきたい。なんかすごく前向きに回れてる。前は攻めたいと思ってもなかなか攻めきれない、 守るショットが多かった。今は少し攻めの気持ちが前より多いし、自分にとって大きいと思う」。まだまだ気持ちよく振り抜けない場面も口にするなど、細かい部分で気になるポイントはある。しかし“攻めの姿勢”を口にする渋野の、週末のプレーが楽しみだ。