車の死角に20個置かれた三角コーンが “全然見えない” 80歳ドライバー アクセル踏み間違い事故多発にも「僕は大丈夫だと思っちゃう。まさかと」
教官:「後ろにコーンが4つある。見えますか?」 コンパクトカーの周囲、見えにくいところに、三角コーンが置かれています。運転席に座った80歳の男性運転手はバックミラーを確認しますが… 【写真を見る】車の死角に20個置かれた三角コーンが “全然見えない” 80歳ドライバー アクセル踏み間違い事故多発にも「僕は大丈夫だと思っちゃう。まさかと」 80歳男性:「何?全然見えない。本当にあるの?」 死角になる部分に巧みに設置された三角コーンは、幼児の背丈ほどの高さです。 教官:「周りに20個コーン置いているんですけど、1個でも見えますか?」 80歳男性:「全然見えない。ないです」 これは高齢ドライバー向けの講習会で、車の死角がいかに多いかを体験してもらった際のひとコマです。27日、那覇市の自動車教習所に集まった高齢者約25人が、高齢者が起こしやすい事故や運転時の注意点を改めて学びました。 20個のコーンが1つも見えなかった80歳の男性は、運転歴50年のベテランです。 教官:「バックモニターで見れば見えるんですけど、それ以外のものは座っていると見えない。これだけ車には死角がある。乗るときに自分で周りを確認するというのは本当に大事です」 驚いた表情で車の死角の広さを再認識した男性。障害物の発見の遅れは、大きな事故につながります。 講習会は、加齢によって衰えてしまう認知機能や身体能力の変化について確認する機会ともなりました。しかし男性は、運転の腕にはまだまだ自信があります。 80歳男性:「こういうと言っちゃいけないんだろうけど、僕は大丈夫だと思っちゃう。よく新聞報道などで出ますけど、まさかアクセルとブレーキを踏み間違うなんて考えられない、と」 記者:自分の身体能力とか認知機能が落ちたと思うことは? 80歳男性:「あまりないですね。(過信は)いけないのかな?」 このほか、走行中に前の車を検知し衝突を防ぐ自動ブレーキシステム装置の機能をシミュレータで体験するブースも設けられ、最近の自動車が備えた安全機能を体感した参加者は驚いた様子でした。 自動ブレーキシステムを体験した女性:「なんか怖いね」「足がむずむずする」 死角を丁寧に確認することなどの安全意識や、できるだけ高い予防安全性能を備えた車に乗ることの大切さを学んだ参加者たち。今後の運転に生かしていきたいと話していました。 加齢による身体能力や認知機能の衰えを感じながら車を運転することは、自分にも他人にも高いリスクがあります。自分が安全に運転できているか、客観的な意見を聞き、問題があれば免許を返納することも含めて冷静に判断していくことが必要です。
琉球放送