横山典弘騎手の「プラス条件・マイナス条件」 芝は中山重賞、ダートは継続騎乗での巻き返しが狙い目
芝では1800m以上の中山重賞が狙い目
今週末6月2日(日)に、GⅠ安田記念(東京芝1600m)が開催される。今年は日本勢vs香港勢という構図。悲願のGⅠ制覇を狙うソウルラッシュや昨年の2着馬セリフォスら日本勢が、GⅠ・4連勝中の香港中距離最強馬ロマンチックウォリアー、年明けにGⅠ香港スチュワーズCを制したヴォイッジバブルを迎え撃つ。 【安田記念2024 推奨馬】東京コースは複勝率50%で安定感◎! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 今週末の府中は雨予報。ジャスタウェイが制した14年以来、10年ぶりとなる不良馬場での開催も十分考えられる。馬場が重くなった場合、評価を上げたい一頭がステラヴェローチェ。不良馬場を得意とするバゴ産駒であり、サウジアラビアRCでは道悪の府中マイルを勝ち切った実績もある。 そのステラヴェローチェに騎乗するのが、横山典弘騎手。先日のダービーでは、内ラチ沿いをピッタリ先行する完璧な騎乗でダノンデサイルを勝利に導いた。ダービーはこれで3勝目、しかも史上最年長での制覇だった。今回はそんな横山典弘騎手の「プラス条件」、「マイナス条件」について調査する(参照するデータは2019年6月1日~2024年5月26日)。 まずはプラス条件を見ていく。 <横山典弘騎手のプラス条件> 中山芝重賞×1800m以上【8-2-1-29】勝率20.0%/連対率25.0%/複勝率27.5%/単回収率167% ダート【102-86-74-498】勝率13.4%/連対率24.7%/複勝率34.5%/単回収率101% (ダートにて) 前走が「6~9着×上がり3F2位以内」【5-6-2-22】勝率14.3%/連対率31.4%/複勝率37.1%/単回収率129% →継続騎乗【4-4-1-15】勝率16.7%/連対率33.3%/複勝率37.5%/単回収率160% 芝での狙い目の一つが中山の芝重賞だ。【10-4-2-38】で勝率18.5%、単勝回収率150%。騎手の腕が求められやすい1800m以上の重賞に限ると、【8-2-1-29】で勝率20.0%、単勝回収率は167%にまでアップする。今年もダノンデサイルの京成杯、マテンロウスカイの中山記念と、5番人気以下の馬で中山重賞2勝を挙げており、秋以降の中山開催でも注目しておきたい。 先週のダービー制覇の印象が強烈ではあるが、データ的には実は芝よりもダートが狙い目。期間内、芝での勝率が9.6%、単勝回収率が67%なのに対して、ダートでの勝率が13.4%、単勝回収率が101%と、勝率と妙味の両方でダートが芝を上回る。 ダートのプラス条件を詳しく見ていくと、前走6~9着の馬に騎乗した際の成績が【19-16-20-131】で勝率10.2%、単勝回収率100%、複勝回収率102%とかなり優秀。前走掲示板外に敗れていた馬が巻き返すことも少なくない。 では、巻き返しが起こるのはどのような時だろうか。ポイントは「前走の上がり」と「継続騎乗」だ。前走の上がり3Fが2位以内だと【5-6-2-22】で勝率14.3%、単勝回収率129%と上昇。さらに、継続騎乗だと【4-4-1-15】で勝率16.7%、単勝回収率160%、複勝回収率110%と妙味がもう一段階アップする。 まず、末脚の使い方を1レースかけて馬に教え込み、それを生かして次走で巻き返す。目の前の1勝にとらわれず、競馬を線で捉える横山典弘騎手らしさが表れているデータだ。