独身で子どもがいない叔母が危篤状態です。相続人のなかに生存しているが所在が分からない人がいるのですが、どうしたらよいですか?
大切な方が亡くなったとき、その相続手続きが遺された方にとって大きな負担となることは珍しいことではありません。特に、何らかの理由で疎遠になった家族や親族がおり、生存しているのは分かっているが連絡先が分からない場合は、どうすればよいのか、途方に暮れてしまうことでしょう。 そこで本記事では、所在が分からず連絡が取れない相続人がいる場合、どうすればよいのかについて解説します。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
まず、所在不明の方が法定相続人に当たるのかを調べる
所在不明の家族や親族がいて慌てる前に、まずはその方が法定相続人に該当するのかを調べましょう。法定相続人とは、亡くなった方(被相続人)の財産を受け取る法的な権利を持つ方のことです。 本記事では法定相続人についての詳しい解説は省きますが、所在不明の方が法定相続人でないことが分かれば、その方には遺産を相続する権利もないため、所在を突き止める必要もなくなります。 ただし、遺言書があり、所在不明の方が遺産の相続人として指定されている場合は、その方が法定相続人であるか否かに関わらず、相続人となるので注意が必要です。 どなたが法定相続人になるかについては、配偶者、兄弟姉妹、親、子などがいるかいないか、また、そのなかに亡くなった方がいて子や孫などがいるか、などによって変わってくるため、複雑なケースの場合は、専門家に相談するとよいでしょう。
戸籍の附票から住所を特定する
所在不明の方が相続人であることが確定したら、まずは住所を確認して連絡を試みてみましょう。その手段の一つに、戸籍の附票があります。 戸籍の附票とは、本籍地の市町村において戸籍の原本と一緒に保管されている書類です(※1)。この書類には、主に以下の4つの項目が記載されています。 ・戸籍の表示(本籍および筆頭者の氏名) ・氏名 ・住所 ・住所を定めた年月日 ご自身や家族の本籍地で入手した戸籍謄本を手掛かりに、所在不明の方の本籍地を調べましょう。その本籍地が分かれば、そこにひもづく戸籍の附票を取得します。そのうえで、所在不明の方の現在の住所が分かれば、手紙などを送り、コンタクトを試みます。