「日本酒とは"たとえツッコミ"!?」 唎酒師(ききさけし)芸人の江戸マリー・角井に教わる日本酒のたしなみ方
――このお店では一度に3種類の日本酒が1杯ずつ選べるので、お任せしてもいいですか? 角井 とりあえずお店のオススメの1位から3位までをいただきましょう。ほら、色を見てください。濁ってたり透明だったりちょっと黄色かったり。同じお酒でもこんなに色が違うのが不思議ですよね。2位のものから呑んでいいですか? ――はい、いただきましょう。 角井 いい香りです。お米の匂いがしますね。後にうまみみたいなものが残る。「無濾過生原酒」っていうことは、火入れしてないっていうことですね。普通はお酒が劣化しないように「火入れ」をするんですけど、それをしないものは生酒と呼ばれて、これは「無濾過」なので特に濾過もしてないもの。フルーティーな味わいですね。 ――お店のタグには「メロンみのある香り」って書いてあります。 角井 そうそう。フルーティーなお酒はよく「メロンのようなジューシーさ」なんてたとえられることがあるんだけど、本当にちょっと甘めで。とにかく生原酒っていうのはフルーティー系が多いですね。でもこのお酒はフルーティーすぎず、お米のふくよかさもあるので、このポテトとか、魚系のおつまみ、例えばこの塩辛とかも合うと思います。塩辛を食べて、その味が残ってるうちに呑んでみてください。 ――んっ! 本当だ、塩辛と合う! でも「メロンみ」はあんまり分からないです......。 角井 たしかにメロンのようなフルーティーさより、お米の味が強い系かもですね。開栓してから時間が経つと風味が変わったりもするので。 ――日本酒の味について、より詳しく教えてください。 角井 お酒の味って4種類、「薫酒」「爽酒」「醇酒」「熟酒」に分かれていると言われていて、「薫酒」は香り高い。「爽酒」はさわやか系。「醇酒」はコクがあって、「熟酒」は紹興酒とかお醤油みたいな古酒の味。でも大きく分けると「爽酒」と「薫酒」の2種類だと思います。辛口、淡麗、すっきりと言われのが「爽酒」で、フルーティーとかジューシーと言われるのが「薫酒」。 つの(※角井は自分のことを「つの」と呼ぶ)は「薫酒」が好き。今のも「薫酒」に当たりますけど、ちょっと「醇酒」の要素も入ってる気がする。最近は4種類のどれかにパキッとカテゴライズするのがムズいものも多いですね。