「5年後にこの熱量のファンレターがもらえるかなって…」“バズが寂しい”マンガ家が『死ぬまでバズってろ!!』を描いたワケ
告発系インフルエンサーを目指すのはなぜ?
――主人公は告発系インフルエンサーを目指していきますが、これを題材にしたのはなぜですか? ふせでぃ 私自身は告発系インフルエンサーに詳しくなくて、編集者と打合せするあいだに出てきたテーマでした。告発系インフルエンサーは存在自体が問題になっている部分もあるから興味を持ったんです。 ――告発系インフルエンサーで参考にした方はいるんですか? ふせでぃ いろんな方を参考にしています。でも、観察するうちに、告発系インフルエンサーもやっぱり「インフルエンサー」なんだと感じました。その人が新しいことを発信するというよりは、世界のどこかで流行っているものを集めたbotのような存在に近い印象です。 ――告発系インフルエンサーで好きなネタは? ふせでぃ SNSは今でも追ってますけど、YouTubeの告発系チャンネルは、実は面白さがあまりわからなくて……。 というのも、自分はもともとゴシップネタに興味がないタイプなんです。どちらかと言えば、ゴシップよりも数字に興味があって。誰が不倫した、恋愛したという話は、他人事に思えてしまうんです。 でもゴシップって、みんなが話題にする。告発系インフルエンサーは、ゴシップの裏方として世論を動かしている感じが面白いのかなって思います。バズりたいから行動に移す熱意があるし。日々SNSに投稿することは楽じゃないと思いますけど、本人が無理なくできる行動なのだと思います。 ――今作の主人公・タパ子ちゃんは、最初から告発系インフルエンサーを狙っていたわけではなく、たまたまひき逃げを目撃し、撮影した動画をSNSにアップしたら、バズった。その感覚が忘れられなくなって告発系インフルエンサーを目指します。 ふせでぃ 今はカメラ機能の付いたスマホをみんなが持っているから、撮ったものをすぐに発信できる時代です。だからこそ、タパ子がやったことも、「あり得るな」って感じていて。 私も気を付けてますよ。道端で撮影していたらなるべく映らないようにするし、旅行客っぽい方のカメラにもできるだけ入らないようにしています(笑)。