中山秀征『THE 夜もヒッパレ』に見たプロの仕事術 安室奈美恵らと作り上げた「妥協なき華やかさ」
しゃべらないで、「んー」と言っているだけでも周りが彼女に期待し、次の発言が待ち遠しくなってしまう。 そんな能力を傍で感じていたので、本番で突然、安室さんにオチのセリフを任せる、なんてこともよくやっていました。 彼女はヒヤヒヤしていたかもしれませんが、僕や他の出演者、スタッフにも「安室ちゃんなら、いつ何時、どんな話題を振っても大丈夫」という安心感があったので、台本通りではなくてもカットされることはほぼありませんでした。
突然振られて応える安室ちゃんの一言にスタジオ中が大爆笑、そこにDJの赤坂泰彦さんがカットインして……。天才的で唯一無二の、不思議な魅力の持ち主でした。 安室さんも、MAXも、安室さんの後を引き継いだ知念さんも、皆さんに共通していたのは、歌とダンスはハイレベルなのに、感覚はいつまでも素朴で自然なところ。 僕のことも「芸能界の先輩」というより「近所のお兄ちゃん」くらいの感覚で接して、いつでも「ヒデちゃん、ヒデちゃん!」と呼んで慕ってくれていました。「ずっとテレビで見てたし、ヒデちゃんは『ヒデちゃん』なんだよね!」と。
どんなに売れっ子になっても業界ズレしない彼女たちの“自然な振る舞い”は、時に緊張感も漂うスタジオの空気をいつも和ませてくれました。 実は、楽しい番組を作るためにムードメーカーは欠かせない存在です。彼女たちの振る舞いも、立派な「プロの振る舞い」だったと感じています。
中山 秀征 :タレント