角田裕毅はレッドブル昇格消滅も冷静「F1界は何が起こるかわからない」 ペレス残留を後悔させる走りに期待
第9戦カナダGPを前にレッドブルがセルジオ・ペレスとの契約延長を発表し、角田裕毅のレッドブル昇格の可能性はなくなった。 【写真】オリンピック代表候補→レースクイーン→ビキニ選手・REIKAさんの昔と今 だが、本人は特に気にすることもなく、日曜にモントリオール入りして友人たちと過ごし、ヨーロッパとの間にある6時間の時差に身体を慣らしてきた。 F1は契約があったとしても、実力がすべての世界だ。2025年を迎えるまででさえ、まだ16戦も残されているのだ。 今週末のカナダGPも、前戦モナコGPと同じように自分の実力を出しきり、さらに成長し、自らの価値を証明し続けるべく臨むだけだと、角田は言った。 「特に何も思っていないですね。来年の契約が更新されることは発表される前から知っていたので、驚きではありませんでした。彼らが2年延長したことにハッピーだと言えば嘘になりますけど、仕方がないことですし、僕としては自分がやるべきことに集中して努力し続けるしかないと思っています。 『2年』と言っても、F1界では実際にそのとおりになるかどうか何が起こるかはわかりませんし、僕は自分の仕事に集中して、彼らを納得させられるようなパフォーマンスが出せればと思います」 レッドブルが望むのなら、2026年またぎでこのチームに留まり、実力を証明し続け、ペレスの契約満了を待たずしてそのシートを奪い取るチャンスをうかがう。レッドブルにそのつもりがないなら、角田の実力を評価し興味を示してくれているチームへ行く。その選択肢が角田にはあるだけの実力が備わっており、あとはレッドブル次第だ。 「ほかのチームも僕に興味を持ってくれていて、いくつか選択肢があるというのはこれまでと違うところです。でも、僕としてはレッドブルファミリーの一員であることが第一ですし、彼らが放出しないかぎりは次のステップには進みません。今のところはレッドブルと交渉を続けていますし、それがどうなるかですね」
【今年のRBマシンはストレートでも戦える】 角田にとってカナダGPは3回目の挑戦になるが、過去2回はともにノーポイントに終わっている。 カナダGPの舞台「ジル・ビルヌーブ・サーキット」は、モントリオールを流れるセントローレンス川に浮かぶ人工島の周遊路であり、4本のストレートをシケインとヘアピンでつないだ「ストップ&ゴー」のサーキットだ。 つまり、ストレートが遅ければタイムは出ないし、直線番長のマシンに前を抑えられてしまえば、いくらコーナーで速くても抜けない。 中団グループのなかでは、ハースやウイリアムズなどストレートを得意とするマシンがこのモントリオールでは優位になるだろう。イモラやモナコなどコーナー主体のサーキットに比べれば、ラクな戦いにはならないはずだ。 しかし、ストレートが鈍足だったこれまでのマシンに比べ、今年のVCARB 01はドラッギーさ(空気抵抗の大きい特性)が薄らぎ、コーナーで稼ぎつつストレートでも戦えるマシンになった。それがどのサーキットでもオールラウンドに戦えている結果につながっている。 それゆえ、今週末のカナダGPに向けても心配はしていないと角田は言う。 「今のところ、どのコースでもいいパフォーマンスが発揮できているので、今回もそこまで不安は持っていません。ストレート車速の問題は去年とは違って解消されていますし、気にしている要素ではないですね。ベースがいいので、クルマのパフォーマンスを最大限に発揮すれば、苦手なコースでもいい戦いができるのではないかと思っています」 特に4カ所あるシケインでは、時速120km以上のスピードで縁石にタイヤを乗せてマシンの向きを変えていく、アグレッシブなドライビングが必要になってくる。 ただ、今週末は3日間を通して雨混じりの予報とのこと。雨が降れば、その縁石の使い方もまた違ってくる。 角田いわく「カートみたいで楽しい」という、そのドライビングがどう出るのか、楽しみだ。 「雨の天気予報なので、今年初の雨でのレースも楽しみです。いつもどおり今回もポイントを獲りにいきたいと思っています。(路面が)再舗装されたことで、ドライなら間違いなくグリップが上がっているはずですけど、ラフネス(荒さ)が低かったので雨だと逆に滑りやすくなるかもしれません。その時々の状況にアジャストしていく必要があります」
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