連立政権崩壊のドイツ 野党が早期解散を要求 政権奪還狙う
連立政権が崩壊したドイツのショルツ首相は7日、最大野党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)のメルツ氏と会談した。政権奪還を狙うCDUのメルツ党首は議会の早期の解散と総選挙を要求。ショルツ氏が打診した重要法案審議での協力は得られなかった。 連立政権は社会民主党(SPD)、緑の党、自由民主党(FDP)の3党で構成されていたが、2025年度の予算編成に関する意見の不一致からFDPが6日、連立を離脱した。SPDと緑の党は議席数が過半数に達しない少数与党となった。ショルツ氏は年金や経済対策関連の法案を年内に成立させるため、メルツ氏に協力を求めた。 ショルツ氏は25年1月15日に議会に自身への「信任決議案」を提出する方針だ。過半数の信任を得られなければ大統領が議会を解散し、当初の予定より半年前倒しとなる3月にも総選挙が行われる。だがメルツ氏は、信任決議案を11月中旬にも採決し、25年1月にも議会を解散すべきだと主張している。 公共放送ARDによるとCDU・CSUは10月の世論調査で支持率が30%超と最も高く、メルツ氏が次期首相の最有力候補となっている。 一方、ロイター通信は7日、政府関係者からの話として、25年度の予算が成立しない場合でも、ウクライナ支援に充当する40億ユーロ(約6500億円)の予算に影響はないと報じた。【ベルリン五十嵐朋子】